米232条自動車部品関税、対象品目の追加申請プロセス、10月1日に初回の受け付け開始
(米国)
ニューヨーク発
2025年09月17日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は9月16日、1962年通商拡大法232条に基づく自動車部品に対する25%の追加関税措置に関して、対象品目の追加プロセスを規定する暫定最終規則(IFR)を発表した。翌17日に連邦官報で正式に公示する。初回の対象品目の追加申請は10月1日に受け付けを開始する。
自動車部品に対する232条関税の対象品目の追加プロセスは、鉄鋼・アルミニウム製品に対する232条関税の対象品目の追加プロセス(2025年9月17日記事参照)とほぼ同様の内容となる。具体的には、商務省国際貿易局(ITA)が米国の自動車・同部品の製造業者や業界団体などから対象品目の追加申請を電子メールで年間4回(1、4、7、10月)、2週間受け付ける。ITAは申請受理後に機密情報を除いた申請内容を公開し、パブリックコメントを連邦政府のウェブサイトで14日間受け付けた上で、適用対象への追加の是非を60日以内に決定する(注1)。
初回の対象品目の追加申請は10月1日から2週間受け付ける。現時点でパブリックコメントの受付期間は示していない。
ITAは追加申請を受け付ける目的について、「自動車分野以外のカテゴリーに分類される自動車部品も多数存在する」「産業界の有識者は、自動車部品に対する232条関税の適用開始時には考慮されていなかった品目で、自動車用途で重要性を増している品目を認識している可能性がある」などと説明している。そのため、HSコードで87類(自動車・同部品)の品目にとどまらず、自動車部品用途の幅広い品目に対象が拡大する可能性もある。なお、現在も自動車・同部品に対する232条関税の対象品目は、87類のカテゴリーを中心に、40類(ゴム・同製品)、83類(卑金属製品)、84類(機械・同部品)、85類(電気機器・同部品)などのカテゴリーにも散在する(注2)。
ただし、米国の関税措置に関する日米合意に基づき、9月16日以降、自動車・同部品に対する232条関税は、一般関税率(MFN税率)が15%未満の場合は一般関税と232条関税を合計して15%、一般関税率が15%以上の場合に232条関税は課されない(2025年9月16日記事参照)。
(注1)ITAは2025年6月に、自動車部品に対する232条関税の対象品目の追加プロセスの概要を発表していた(2025年6月26日記事参照)。
(注2)自動車・同部品に対する232条関税の対象品目は、米国税関・国境警備局(CBP)のガイダンス(自動車・同部品
)にまとめられる。
(葛西泰介)
(米国)
ビジネス短信 6234ce8e254d5f51