米232条鉄鋼・アルミ関税、2回目の対象品目の追加申請の受け付け開始

(米国)

ニューヨーク発

2025年09月17日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は9月15日、1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム製品に対する50%の追加関税措置に関して、対象品目の追加申請の受け付けを開始すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。9月17日に連邦官報で正式に公示する。追加申請の受け付けは2025年5月に続き、今回が2回目となる。

BISは5月に、鉄鋼・アルミニウムを含有する「派生品」を232条関税の適用対象に追加するプロセスを新設した(2025年5月2日記事参照)。同プロセスでは、BISが米国の鉄鋼・アルミニウム製品・派生品の製造業者や業界団体などから対象品目の追加申請を電子メールで年間3回(1月、5月、9月)、2週間受け付ける。BISは申請受理後に機密情報を除いた申請内容を公開し、パブリックコメントを連邦政府のウェブサイトで14日間受け付けた上で、適用対象への追加の是非を60日以内に決定する。

今回の対象品目の追加申請は9月15~29日に受け付ける。現時点でパブリックコメントの受付期間は示していない。

前回の5月に実施した追加プロセスでは、BISは8月に約400品目の派生品を232条関税の適用対象に追加した(2025年8月19日記事参照、注1)。米国シンクタンクのケイトー研究所は8月に公表したレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、追加された品目に「ホイップクリーム、芳香剤、銀食器、バケツ、オフィス家具、芝刈り機、ベビーカー、消火器などが含まれている」などと指摘しており、フレームや容器に鉄鋼やアルミニウムを使用する幅広い品目に対象が拡大した様子がうかがえる。

首都ワシントンの通商弁護士は、前回の追加プロセスで多くの品目が232条関税の適用対象に追加された経緯を踏まえると、今回も国内産業保護を求める企業が申請を行い、BISが適用対象を拡大することが見込まれると指摘している(注2)。

(注1)鉄鋼・アルミニウム製品に対する232条関税の対象品目は、米国税関・国境警備局(CBP)の8月15日付のガイダンス(鉄鋼外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますアルミ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の別添資料がわかりやすい。同別添資料で、太字で米国関税分類番号(HTSコード)が記載された品目は、2025年8月に対象に追加された品目。

(注2)筆者によるインタビュー(9月16日)に基づく。

(葛西泰介)

(米国)

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