EFTAとシンガポール、デジタル経済協定に署名

(シンガポール、EFTA、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)

シンガポール発

2025年09月29日

シンガポールとEFTA(欧州自由貿易連合)諸国(アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)は、EFTA・シンガポール・デジタル経済協定(ESDEA)に署名した。シンガポール貿易産業省(MTI)が9月26日に発表した(MTIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ESDEAを受け、「デジタル経済」と「金融サービス向けコンピュータ関連設備の設置」に関する条文が、EFTA・シンガポール自由貿易協定(FTA)に挿入される(注)。「デジタル経済」に関する条文は、関税、電子認証、貿易に係る文書の電子化、国内の電子的な取引の枠組み、電子商取引のためのインターネットへの接続および利用に関する原則、政府データの公開、オンラインの消費者の保護、要求されていない商業上の電子メッセージ、個人情報保護、国境を越えるデータの流通、電子決済、電子インボイス、ソースコード、暗号法を使用する商業用の情報通信技術製品、サイバーセキュリティー、協力と見直し、競争政策に関する協力、デジタルアイデンティティ、フィンテック協力、人工知能(AI)、任意規格・強制規格および適合性評価手続き、イノベーション、中小企業、デジタル包摂性、一般的例外、安全保障のための例外、中枢的な公共基盤の防護、などから構成される。

シンガポールのグレース・フー持続可能性・環境相兼貿易担当相は、ESDEAについて、「オープンで安全な国境を越えるデータの流通を促進することで、企業にデジタル貿易における柔軟性と確実性を提供するのと同時に、電子商取引に関わる消費者の保護を強化する」(既出MTIプレスリリース)と語った。

ESDEAは2023年2月に交渉開始が発表され(2023年2月24日記事参照)、2025年7月に交渉妥結していた(2025年7月14日記事参照)。共同コミュニケ(既出MTIプレスリリース付属資料C)によると、EFTA諸国とシンガポールは今後、ESDEAの批准と発効に向けた取り組みを進める。少なくとも1カ国以上のEFTA構成国、およびシンガポールが、批准書、受諾書、または承認書を寄託者に寄託した日の属する月の後3番目の月の初日に、同文書を寄託した国の間でESDEAが発効する。

(注)ESDEAの条文はEFTAのウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で閲覧可能。

(朝倉啓介)

(シンガポール、EFTA、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)

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