EFTA・シンガポールデジタル経済協定の交渉妥結
(シンガポール、EFTA、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)
シンガポール発
2025年07月14日
アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの4カ国からなるEFTA(欧州自由貿易連合)とシンガポールとの間で進んでいたデジタル経済協定(ESDEA)の交渉が7月10日に妥結した〔シンガポール貿易産業省(MTI)プレスリリース〕。
既出プレスリリースによると、ESDEAは、参加国間でのデジタル貿易の加速、オープンで安全な国境を越えるデータ流通、相互運用性の促進を目的とし、高水準のルールとコミットメントを特徴としている。ESDEA交渉妥結に関するEFTAとシンガポールの共同コミュニケによると、ESDEAは、WTOの電子商取引共同声明イニシアチブを含む現在進行中の国際的な取り組みや協定を基礎とし、それらを補完するものとしている。
既出プレスリリースの添付資料によると、ESDEAは、電子的送信に対する関税賦課の禁止や、ペーパーレス取引(貿易書類の電子化)、電子決済、電子請求書(E-invoicing)の推進、データを特定の場所に保存することの義務付け禁止、市場アクセスの条件としてソースコードと暗号の開示要求禁止を規定する。さらには、人工知能(AI)や金融技術、サイバーセキュリティー対応の強化、サイバーセキュリティーリスクに対処する労働力の能力構築といった幅広い分野で、将来を見据えた協力に関する規定なども含まれる。
EFTAとシンガポールは2023年2月、ESDEA交渉開始を発表していた(2023年2月24日記事参照)。EFTA締約国とシンガポールは今後、署名や批准手続きなどESDEA発効に向けた手続きに取り組む。
(朝倉啓介)
(シンガポール、EFTA、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)
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