トランプ米大統領のインフレ対応への純支持率はマイナス30%に低下、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年09月05日

米国では、トランプ関税の価格転嫁が徐々に進行しているとみられる(2025年9月3日記事参照)。最近の世論調査では、ドナルド・トランプ大統領のインフレ対応への純支持率はマイナス30%だった。

経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブは9月4日、トランプ政権などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、トランプ氏の重要事項に対する対応への純支持率はマイナスとなった。「インフレ/価格」はマイナス30%となり、就任当初のプラス6%から大きく低下した。「就労と経済」がマイナス15%、「移民」がマイナス1%と低迷した。

また、経済運営について米国連邦準備制度理事会(FRB)とトランプ氏のいずれを信頼するかという問いに対しては、FRBをより信頼するという割合は45%とトランプ氏(26%)を上回った。FRBの役割に対する信頼度(「非常に信頼している」と「ある程度信頼している」の合計)についても、「金利を設定する」は59%、「経済市場を活性化させる」は53%、「米国を景気後退から守る」は53%、「インフレを抑制する」は52%、「政治的に独立した政府機関である」は51%となり、過半の回答者がFRBに信頼を寄せている結果となった。

ヤフーが8~9月に実施した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)でも、トランプ氏の重要事項への対応については、「移民」(45%)、「犯罪」(44%)では支持が4割を超えたが、「経済」(36%)、「貿易と関税」(35%)、「生活費」(29%)は低調だった。

トランプ関税が家計や企業活動に影響

アメリカ進歩センターが9月3日に発表したレポート「トランプ関税が経済に悪影響を与える8つの方法外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によれば、当面の家計当たり経済負担は2,400ドル増加し、新車販売価格は2024年12月比で400ドル上昇したとしている。

企業活動への影響については、年間の当期損失に基づく、典型的な中小企業の平均収益損失がマイナス13%、第2四半期の企業投資の減少率が年率でマイナス13.8%、北米越境貨物輸送量がマイナス4.9%(5月時点、前年同月比)、中小輸入業者が支払う関税の平均額が9万ドル(2025年4~7月)と見積もっている

(注1)実施時期は2025年8月29日~9月2日。対象者は全米の成人1,691人。

(注2)実施時期は2025年8月29日~9月2日。対象者は全米の成人1,690人。

(松岡智恵子)

(米国)

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