米国、アフリカ18カ国に相互関税15%、3カ国に30%、1カ国に25%
(アフリカ、米国、南アフリカ共和国、ナイジェリア、アルジェリア、ガーナ)
調査部中東アフリカ課
2025年08月08日
米国のドナルド・トランプ大統領は7月31日、4月に発表した相互関税を修正する大統領令を発表した(2025年8月1日記事参照)。新しい相互関税率は、8月7日の米国東部時間午前0時1分以降に通関した貨物に適用された。ただし、それまでに船舶に積載され最終輸送手段で輸送中であり、同10月5日午前0時1分までに通関した場合は適用されず、ベースライン関税10%のみが課されるという。
アフリカでは、アルジェリア(4月時点で30%)、南アフリカ共和国(同30%)、リビア(同31%)の3カ国の相互関税は30%と発表された。南ア政府は、米国関税について、自動車、農産加工、鉄鋼、化学品などの産業部門に甚大な影響をもたらすことが懸念されるとした(2025年8月4日記事参照)。また、チュニジアは4月時点の28%から25%に引き下げられた。
今回の大統領令では、アフリカ18カ国(アンゴラ、ボツワナ、カメルーン、チャド、コートジボワール、コンゴ民主共和国、赤道ギニア、ガーナ、レソト、マダガスカル、マラウイ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)は15%と定められている。
4月時点で最貧国にもかかわらず世界的に見ても高関税が課せられると話題になったレソト(4月時点で50%)やマダガスカル(同47%)(2025年4月15日記事参照)も15%に引き下げられている。また、4月時点で10%のベースライン関税の対象国のうち、アフリカは32カ国で据え置きになった。一方、今回、ガーナとウガンダは10%から15%に引き上げられた。このほか、アフリカ最大の人口を有する経済大国ナイジェリアも14%から15%へと上昇した。
関税に関しては、米国がアフリカ諸国に提供する特恵関税制度であるアフリカ成長機会法(AGOA)についても、2025年9月30日に期限が切れるとされ、動向に注目が集まる。
なお、米税関は8月7日から適用の相互関税のガイダンス発表、例外品目など明示している(2025年8月6日記事参照)。
詳細はジェトロの「特集:米国関税措置への対応」を参照。
(井澤壌士)
(アフリカ、米国、南アフリカ共和国、ナイジェリア、アルジェリア、ガーナ)
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