ハノイ市からの高速道路がダナン市まで延伸
(ベトナム)
ハノイ発
2025年08月26日
ベトナム建設省は8月19日、南北高速道路(注1)の第2段階に当たる中部ハティン省ブンアン~クアンチ省(旧クアンビン省、注2)ブンと、クアンチ省バンニン~カムロの2区間、それに接続道路のダナン市ホアリエン~トゥイロアン区間の運営を開始した。当初の予定より早く工事を終え、建国80周年(9月2日)記念を前に正式に開通した。今回の3区間の開通により、高速道路は北部の首都ハノイ市から750キロ以上離れた中部の商業都市ダナン市まで延伸された。2024年8月時点では13時間30分を要していた同区間の陸路移動(2024年12月23日付地域・分析レポート「ベトナム北中部の投資環境(後編)アクセス向上も、物流に課題」参照)は、11時間強に短縮される。
南北高速道路の第1段階(2017~2020年)の11プロジェクト(総距離約653キロ)は、2024年6月末に4年遅れで全線開通した(2024年7月18日記事参照)。中部6省と南部のカントー市以南の2省・市を通る第2段階(2021~2025年)は、12プロジェクト(2022年時点の政府の計画では総距離約729キロ)が予定される。4月に4区間(2025年5月19日記事参照)、今回さらに2区間が開通し、計画の半分を終えたことになる。残りの6プロジェクトは2025年内に完成する予定だ(添付資料表参照)。第2段階の総投資額は約147兆ドン(約8,232億円、1ドン=約0.0056円)。
ブンアン~ブン区間はハティン省とクアンチ省を通過する全長55キロで、総投資額は12兆5,400億ドン。バンニン~カムロ区間は旧クアンビンを含むクアンチ省を通過する全長66キロで、総投資額は9兆9,200億ドン。ホアリエン~トゥイロアン区間は全長11キロ。南北高速道路の計画には含まれていないが、ダナン市内を通過し、完成済みの市内北側と南側の区間を結ぶ接続道路として建設された。3区間は4車線で最高速度が時速60~90キロだが、今後、拡張工事を経て6車線となる計画もある。
ハノイ市からダナン市までの高速道路開通により、移動時間の短縮や物流コストの削減、交通渋滞緩和、地域経済や観光開発の促進などが期待される。
(注1)南北高速道路は、東側と西側の2路線の計画があり、現在は東側の開発が進む。東側は北部ランソン省から南部カマウ省まで、第1、第2段階の建設区間と、それ以前に開通している区間を合わせて、2021年時点の政府の計画では全長2,063キロを予定。西側は2030年以降の完成を予定する計画があるが、現在は未着工。
(注2)7月1日の地方行政再編により、クアンビン省とクアンチ省が合併し、新たにクアンチ省となった(2025年7月1日記事参照)。
(グエン・ラン)
(ベトナム)
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