南北高速道路の4区間が同時開通

(ベトナム)

ハノイ発

2025年05月19日

ベトナム建設省は4月28日、南北高速道路(注1)の第2段階のプロジェクトのうち、中部ハティン省バイボット~ハムギと、ハムギ~ブンアン、クアンビン省のブン~バンニン、カインホア省のバンフォン~ニャチャンの4区間の運用を開始した。予定より前倒しで工事を終え、ベトナム戦争を経た南部解放・国家統一50周年の日に合わせ、正式に開通した。北部の首都ハノイ市とハティン省間、南部の商都ホーチミン市とカインホア省間の高速道路が延伸され、移動時間が短縮される。

今回の4区間の開通により、南北高速道路は全体の7割以上の道路が開通したことになる。第1段階(2017~2020年)で予定していた11プロジェクト(総距離約653キロ)は、2024年6月末に4年遅れで全線が完成した(2024年7月18日記事参照)。第2段階(2021~2025年)は、中部7省と南部カントー市以南の3省・市を通る12プロジェクト(2022年時点の政府の計画では総距離約729キロ)が予定される(添付資料表参照)。今回は、この中の4プロジェクト(計約208キロ、注2)が完成した。残りの8プロジェクトは2025年末までに完成する予定だ。第2段階の総投資額は約147兆ドン(約8,232億円、1ドン=約0.0056円)。

今回開通したバイボット~ハムギ、ハムギ~ブンアン区間はいずれも、ハティン省を通過する。それぞれの全長は35キロと54キロ、総投資額は約7兆6,440億ドンと約9兆7,350億ドンだ。バイボットで開通済みの高速道路と接続するため、南北高速道路はハノイ市からブンアンまで延伸されたことになる。

クアンビン省ブン~バンニン区間の全長は約48キロで、総投資額は9兆3,600億ドン。他のプロジェクトの建設が進むと、北のハティン省、南のクアンチ省と高速道路がつながる見込みだ。

バンフォン~ニャチャン区間は全長83キロのうち、今回70キロが完成した。総投資額は11兆8,100億ドン。同区間はカインホア省中心部を通過し、フーイエン省との省境付近が終点となる。

4区間は現時点では4車線で最高速度が時速80キロだが、今後の拡張工事を経て6車線となった際には、時速100~120キロで通行が可能になる見込みだ。新たな高速道路の開通により、交通渋滞緩和や移動時間の短縮、観光開発促進などが期待される。

(注1)南北高速道路は、東側と西側の2路線の計画があり、現在は東側の開発が進む。東側は北部ランソン省から南部カマウ省まで、第1・第2段階の建設区間と、それ以前に開通している区間を合わせて、2021年時点の政府の計画では全長2,063キロを予定。西側は2030年以降の完成を予定する計画があるが、現在は未着工。

(注2)小数点以下を四捨五入しているため、各区間の和とは一致しない。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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