地方再編で7月1日から34省・市体制が始動

(ベトナム)

ハノイ発

2025年07月01日

ベトナムの地方行政は、7月1日から新たに34省・市(6つの中央直轄市と28省)で運営される(添付資料表参照)。政治・行政の効率化や経済発展の促進を目的として、これまでの63省・市(6つの中央直轄市と57省)を約半分に再編したものだ。当初は7月から9月にかけて段階的に新たな行政区画の運用を進める予定だったが(2025年4月22日記事参照)、6月の国会で承認の際にスケジュールが前倒しとなり、7月1日から新体制での運用を開始することが決まった。

6月末時点では、政府から企業に対し、今回の行政再編に伴う手続きの要請などは出ていない。財政省は、省・市の再編によって企業の登録所在地に変更が生じる場合、企業側で企業登録証明書(ERC)の所在地変更を行う必要はなく、現行の登録証を引き続き使用できるとのガイダンスを示している。

ただし、例えば、ERCを更新すべき具体的なタイミングや、そのほかのライセンスでの登録情報の更新要否などについては、統一したガイダンスは出ておらず、省・市ごとの判断に委ねられるケースもあるとみられる。また、再編後の省・市の新体制の方針や現場の状況などによって、行政手続きのスピードや判断基準に差が生じる可能性がある。再編前の省・市と締結した覚書などの有効性も、ガイダンスは公表されておらず、まずは各省・市への確認が必要となる。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

ビジネス短信 765f7e923f605ff4