韓国、2025年第2四半期のGDP成長率は前期比0.6%、民間消費と輸出が好調
(韓国)
調査部中国北アジア課
2025年08月05日
韓国銀行(中央銀行)は7月24日、2025年第2半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)が前期比0.6%だったと発表した。2025年第1四半期はマイナス成長だったことから(2025年5月9日記事参照)、「逆成長」を脱出したと評価された(「聯合ニュース」、7月24日付)。今回、前期比増に転じた理由として、輸出の好調と内需の回復などが挙げられるが、2025年通年の成長率が1%に達するかは、韓国内外の金融機関によって見通しが異なる状況となっている(「ヘラルド経済」、7月25日付)。
2025年第2四半期の支出項目別実質GDP成長率(前期比)は次のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。
- 民間消費:財(乗用車など)・サービス(娯楽文化など)の消費が増加し、0.5%増。
- 政府消費:健康保険給付金の支出が増加し、1.2%増。
- 建設投資:建築・土木を中心に、1.5%減。
- 設備投資:半導体製造装置などの機械類と輸送機械(船舶など)を中心に、1.5%減。
- 輸出入:輸出は半導体、石油・化学製品などが増加し、4.2%増。輸入は原油、天然ガスなどのエネルギー類を中心に、3.8%増。
業種別にみると、農林漁業は漁業を中心に前期比1.4%減、製造業はコンピュータ・電子・光学機器を中心に増加して2.7%増、電気・ガス・水道事業は電気業を中心に3.2%減となった。さらに、建設業は建築・土木建設を中心に4.4%減、サービス業は、情報通信業などが減少したが、卸・小売業・宿泊飲食業、不動産業などが増加し、0.6%増だった。
韓国銀行のイ・ドンウォン経済統計第2局長は、2025年第2四半期の経済成長率について、「第2四半期までは米国の関税政策による影響が限定的だったが、第3四半期(7~9月)からは本格的に輸出に影響を及ぼすだろう」と見解を述べた。また、内需については「消費者心理の回復、第2次追加補正予算の効果により、現状よりも回復する兆しにある」とした(「アジア経済」、7月24日付)。ちなみに、7月30日、米韓通商合意が成立し、韓国からの米国の輸入に対する相互関税が15%に引き下げられることとなった(2025年8月1日記事参照)。さらに、8月中に韓米首脳会議も予定されており、その動向が注目されている。
(益森有祐実)
(韓国)
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