韓国、2025年第1四半期のGDP成長率は前期比0.2%減、3四半期ぶりにマイナス成長

(韓国)

調査部中国北アジア課

2025年05月09日

韓国銀行(中央銀行)は4月24日、2025年第1半期(1~3月)の実質GDP成長率(速報値)が前期比0.2%減だったと発表した。2024年第2四半期(4~6月)以来、3四半期ぶりにマイナス成長となった。これにより、2025年通年の実質GDP成長率が、韓国銀行が年初に発表した見通し(1.5%)を大幅に下回る可能性が出てきた(「聯合ニュース」、4月24日付)。

2025年第1四半期の支出項目別実質GDP成長率(前期比)は次のとおり(添付資料表1参照、前年同期比の支出項目別実質GDP成長率は添付資料表2参照)。

  • 民間消費:娯楽文化・医療等のサービス消費が不振で、0.1%減。
  • 政府消費:健康保険給付金の支出が減少し、0.1%減。
  • 建設投資:建築を中心に、3.2%減。
  • 設備投資:半導体製造装置などの機械類を中心に、2.1%減。
  • 輸出入:輸出は化学製品、機械・製造装置等が減少し、1.1%減。輸入は原油、天然ガス等のエネルギー類を中心に、2.0%減。

業種別にみると、農林漁業は漁業を中心に3.2%増、製造業は化学物質・化学製品、機械・製造装置などを中心に減少して0.8%減、電気・ガス・水道事業はガス・蒸気・空気調節供給業を中心に7.9%増となった。建設業は建築を中心に1.5%減、サービス業は、金融・保険業、情報通信業等が増加したが、輸送業、卸・小売業・宿泊飲食業などが減少し、前期と同じ水準(0.0%増)だった。

韓国銀行のイ・ドンウォン経済統計第2局長は2025年第1四半期の経済成長率について、「国内外の不確実性の拡大により景況感の回復が遅れており、建設業の景気も予想より不振だった」と見解を述べた。「文化日報」(4月24日付、電子版)は、国内政治の不安定性や2024年の経済成長を牽引した輸出が不振なことを指摘した上で、トランプ米政権の関税政策について、韓米間の協議を通じて「関税ショック」をいかに減らすかが今後の課題と述べた(2025年4月28日記事参照)。

(益森有祐実)

(韓国)

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