赤澤再生相が日本に対する相互関税率修正に向け、米国のラトニック商務長官、ベッセント財務長官と協議

(米国、日本)

ニューヨーク発

2025年08月08日

日本政府は8月8日、赤澤亮正経済再生相が、米国のハワード・ラトニック商務長官およびスコット・ベッセント財務長官と米国時間8月7日に協議したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。相互関税率などに関する合意において、日米間で一致しない点がある中、米国の相互関税の適用が8月7日から始まっていた。

日本政府の発表によると、赤澤経済再生相は、相互関税に関する合意の内容をあらためて確認した上で、米国に対して可及的速やかに、相互関税に関する大統領令を修正する措置を取ること、また自動車・同部品の関税を引き下げる大統領令を発出することを申し入れた。日本政府が発表した合意内容は、日本に対する相互関税率は一般税率(MFN税率)を含めて15%で、MFN税率が15%以上の品目には相互関税は課されずMFN税率のみ課されるものだった(2025年7月28日記事参照)。だが、米国側から発表された相互関税に関する大統領令では、日本に対する相互関税率はMFN税率に15%を上乗せする内容となっていた(2025年8月1日記事2025年8月6日記事参照)。相互関税は8月7日に通関した貨物から適用が開始されている(注)。ただ、赤澤再生相による会談後の記者会見によると、米国は今後、日米合意の内容に沿うよう大統領令を修正し、支払い過ぎた関税の還付手続きを設けるという。今後、米国が相互関税率の修正などを行う場合、正式に公式文章が発表されるとみられる。

なお、1962年通商拡大法232条に基づく自動車・同部品に対する25%の追加関税措置については、日本側はMFN税率を含めて15%に引き下げられると発表しているが、米国側から追加関税率を修正する発表はいまだ出ていない。

(注)米国東部時間8月7日午前0時1分より前に積載港で船舶に積み込まれ、最終輸送手段で輸送中であり、かつ同10月5日午前0時1分までに通関した貨物は相互関税の対象外となる。8月7日に通関した日本原産品の貨物の多くは、同日より前に船積みされているため、同日時点で相互関税が実際に課された貨物は限られるとみられる。

(赤平大寿)

(米国、日本)

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