ドイツにおけるEVの増加傾向、自動車中央連合会が消費者需要の実態とは異なると指摘

(ドイツ)

ミュンヘン発

2025年08月28日

ドイツ復興金融公庫(KfW)は8月5日、ドイツにおけるEV〔電気自動車:バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)〕の動向に関する報告書を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

報告書によると、ドイツは欧州最大の乗用車市場であり、欧州の最大のEV市場でもある。ドイツのEV市場は2023年末以降、電動車購入補助金制度「環境ボーナス(Umweltbonus)」の終了の影響を受け(2023年12月25日記事2022年12月12日記事参照)、EVの2024年第1四半期(1~3月)の国内新規登録台数に占める割合が20%弱に落ち込んだ。しかし、2024年第2四半期(4~6月)以降、EVの割合が増加傾向にある。ドイツ連邦自動車局(KBA)の統計(注)では、2025年上半期(1~6月)のEVの新規登録台数は38万7,674台(前年同期比41.6%増)と上半期としては過去最高の登録台数を記録、乗用車市場全体に占める割合は2024年上半期の18.6%から27.6%に拡大した。特にBEVが急増し、24万8,726台(35.1%増)と過去最高だった。

また、BEVは、ドイツの乗用車輸出に占める割合も拡大しつつある。BEVの輸出台数は2025年第1四半期の乗用車輸出台数の27%を占め、2020年第1四半期の3%に比べて9倍に拡大した。2025年第1四半期のBEVの月間平均輸出台数は8万2,000台、総輸出額は約34億ユーロだった。2020年第1四半期には、月間平均輸出台数は約8,000台、総輸出額約4億ユーロだった。PHEVの輸出での割合は、2023年から継続的にBEVの輸出割合を下回り、2025年第1四半期は全体の約10%だった。

業界団体「BEV増加は消費者の需要増によるものではない」

一方、自動車販売や修理サービスを行う企業の業界団体である自動車中央連合会(ZDK)は、8月18日に発表した景気調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、ドイツ国内ではEVの新規登録台数が増加しているが、増加の主因は自動車ディーラーや自動車メーカー自らによる登録が増えていることにあり、KBAが発表する登録台数は消費者のEV需要の実態とは異なる、と指摘した。ZDKの指摘によると、2025年上半期での自動車ディーラーやメーカーによるBEVの新規登録台数はBEV全体の26.3%に相当する6万5,401台で、2023年上半期より倍増、そのうちメーカーによる登録は4倍に増えた。他方、個人による登録は8万2,294台と2023年上半期に比べて9%減少している。しかし、ドイツ自動車大手のBMWはドイツ公共放送ARD「ターゲスシャウ」に対して、「2025年上半期にドイツ市場においてBMWとミニが自ら通常より多く新規登録を行った事実は確認できない」とコメントした。同社は、BEVの成長を牽引したのは個人と企業だとした(ドイツ公共放送ARD「ターゲスシャウ」2025年8月23日)。

(注)KBAの統計には、BEVとPHEVに加えて、水素燃料電池車(FCV)の国内新規登録台数も含む。

(クラウディア・トーディ)

(ドイツ)

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