電動車購入補助金制度の縮小を正式発表、PHEVへの補助金は廃止

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年12月12日

ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)は12月9日、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)の新車購入時の補助金「環境ボーナス(Umweltbonus)」制度の2023年以降の変更内容を正式発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同省が2022年7月に発表した方針(2022年8月3日記事参照)とおりの変更となった。今回の変更は2023年1月から適用、補助制度は2024年12月末で終了する。ただし、2023年以降は補助金財源がなくなり次第、支給終了となる。

まず、PHEVへの補助金支給額は現行制度では、(1)車体価格が4万ユーロ以下の場合は連邦政府支給分4,500ユーロ(これに自動車メーカー負担分2,250ユーロが加算され、総額6,750ユーロ)、(2)車体価格が4万ユーロ超6万5,000ユーロ以下の場合は連邦政府支給分3,750ユーロ(同じく自動車メーカー負担分1,875ユーロが加算され総額5,625ユーロ)だが、2022年末で廃止する。

BEVとFCEVについては、連邦政府分の補助額を2023年1月から、(1)の場合は4,500ユーロ(現在6,000ユーロ)、(2)の場合は3,000ユーロ(同5,000ユーロ)に減らす。2024年1月からは、車体価格4万5,000ユーロ以下の車両に対してのみ、3,000ユーロを助成する。さらに、当初方針どおり、2023年9月から助成対象者を個人に限定し、企業などへの購入助成は終了するほか、これまで6カ月だった最低保有期間を2023年1月から12カ月に変更する。

また、現行制度では、連邦政府分助成金倍増(2020年7月15日記事参照)以降、自動車メーカーが連邦政府助成分の半分に相当する額を負担しており、このメーカー加算は継続する。例えば、2023年1月に車体価格が4万ユーロ以下のBEVを購入した場合、連邦政府助成分4,500ユーロに、メーカー負担分2,250ユーロが加算され、総額6,750ユーロが助成される。

「環境ボーナス」制度が導入された2016年7月から2022年11月1日までに、合計154万5,408台が助成され、うち、BEVは87万4,357台、PHEVは67万732台、FCEVは319台だった。特に、2020年7月に連邦政府分助成額が倍増されて以降、国内新車登録台数に占めるBEVとPHEVの割合は急増していた(2020年7月の国内新車登録台数でのBEVシェア5.3%、PHEV6.1%から、2022年11月にはBEV22.3%、PHEV17.1%に)。

(高塚一)

(ドイツ)

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