アンドラ・プラデシュ州政府、電子部品製造政策で独自の優遇措置を提供

(インド)

チェンナイ発

2025年08月14日

インド南部アンドラ・プラデシュ(AP)州は8月1日、「電子部品製造政策(4.0)2025-30〔Andhra Pradesh Electronics Components Manufacturing Policy(4.0)2025-30:ECMP4.0〕」を発表した(添付資料参照)。本政策は、中央政府が2025年4月に発表した「電子部品製造優遇スキーム(Electronics Component Manufacturing Scheme:ECMS)」(2025年4月15日記事8月6日記事参照)に伴う政策で、AP州に進出する企業に対して州独自のインセンティブを提供するもの。有効期間は政策発表日から5年間、または新たに発表する政策が定める期間のいずれか遅い日付までとなる。

ECMP4.0では、AP州の経済発展に寄与する電子部品製造のエコシステムのさらなる発展を目指す。具体的な目標としては、コスト軽減、事業展開スピードの向上、基礎インフラや工場が整備されたプラグアンドプレイ型の製造エコシステムの確立、グローバルな受託製造業者誘致、高度なスキルを持つ人材プール創出などが掲げられている。

ECMP4.0でインセンティブを受けるには、ECMSでの承認が条件となる。インセンティブの内容としては、(1)投資額の最大50%の補助金の支給〔5年間で最低25億ルピー(約42億5,000万円、1ルピー=約1.7円)を投資する最初の10プロジェクトが対象〕、またはECMSで承認された補助金と同額の補助金支給、(2)土地代の75%の割引、またはAP州産業インフラ公社(APIIC)が建設した既存工場利用時における最初の3年間の賃貸料金50%免除、(3)ECMP4.0発表後最初の6年間における電気料金の免除など。そのほか、5年間にわたり100億ルピーを超える投資または1,000人以上を雇用する投資計画の場合は、メガプロジェクトとして、オーダーメードのインセンティブの適用対象となる。

本政策に伴い、AP州政府は、ティルパティ、アナンタプル、ビシャカパトナム、コッパルティ、ネルールなどで部品製造クラスターを整備する予定だ。具体的には、プリント基板(PCB)、ディスプレー、光電子部品、受動部品などの特定部品の製造や、白物家電、モバイル、医療機器などの分野で現地産業基盤の活用に注力する。

(白川佳奈)

(インド)

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