「南ア・中国貿易投資パッケージ」(5カ年)を発表

(南アフリカ共和国、中国)

ヨハネスブルク発

2025年08月13日

南アフリカ共和国の貿易産業競争省(DTIC)は8月7日、業界団体や輸出協議会と協議の上、中国との経済関係の強化を目的に、「南ア・中国貿易投資パッケージ(2025~2029年)」の概要を発表した。

本パッケージには、貿易、投資、産業開発、技能開発が含まれる。概要は次のとおり。

  1. 貿易:優先事項は、トップ100の製品のやりとり、中国国内での常設見本市の設立、規制措置に関わる協力。
  2. 投資と産業開発:優先事項は、鉄鋼、タイヤ、自動車、電池の製造、医薬品・医療機器、鉄道関連の製造、デジタル技術。
  3. 技能開発:アフターケアや保守などの優先分野に関連するスキルに焦点をあてる。

本パッケージは、ポール・マシャティーレ副大統領が7月14~18日に中国を訪問した際(2025年7月25日記事参照)、中国政府に共有された。同副大統領は、中国訪問の際に主要国有企業および金融機関と意見交換したほか、南ア・中国投資フォーラムおよび中国国際サプライチェーン博覧会(CISCE)に参加し、南ア・ナショナル・パビリオンを開設していた。

南アにとって、中国は貿易に関して最重要国にあたる。南アの国別貿易をみると、中国は輸出入ともに1位となっている。同国への輸出は124億9,000万ドルで全体の11.2%、輸入は219億4,000万ドルで全体の20.5%を占める(ともに2023年、World Trade Atlasデータ)。

一方、米国は、8月7日から南アに対する相互関税率を30%とした(2025年8月4日記事参照)。南ア政府高官は「アジア、欧州、中東などの代替輸出市場の拡大を目指す」としており、こうした米国以外の国との関係強化にも目を向けていく状況は続きそうだ。

(多崎央)

(南アフリカ共和国、中国)

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