南アのマシャティーレ副大統領が訪中

(南アフリカ共和国、中国)

ヨハネスブルク発

2025年07月25日

南アフリカ共和国のポール・マシャティーレ副大統領が7月14日から18日まで、中国を実務訪問した。第3回中国国際サプライチェーン博覧会(CISCE)に参加したほか、南アと中国の2国間関係強化、包括的戦略的パートナーシップや2020年から2029年までの10カ年戦略協力計画の強化に向けた対話を行った。

訪問中、マシャティーレ副大統領は中国政府や民間セクターの複数の関係者と会談した。政府レベルでは、中国の韓正国家副主席と会談を行った。韓正国家副主席は南ア政府への信頼と、G20で2025年11月末まで議長国を務める南アへの支持を表明した。経済関係では、南アのスタンダード銀行と提携している中国工商銀行や、中国建築集団(CSCEC)、中国中材国際工程、北京汽車(BAIC)といった企業関係者と面会し、インフラ、銀行、エンジニアリング、自動車分野での協力関係強化について話し合った。

さらに、マシャティーレ副大統領は南ア中国投資フォーラムで講演し、南アの対中貿易赤字拡大について「南アの対中貿易赤字は、1988年から2000年の間は10億ドル未満だったが、2023年には97億1,000万ドルにまで増加した」と述べ、貿易赤字の早期改善の必要性を訴えた。また、原材料貿易から共同工業化への移行を提唱し、イノベーション、技術移転、技能開発を重視するとし、電池製造や、重要鉱物、再生可能エネルギー、グリーン水素、インフラ、鉄道近代化、冶金(やきん)産業の再活性化に重点を置いて、共同工業化の必要性を訴えた。

7月16日から20日まで北京で開催された第3回CISCEでは、南アのナショナルパビリオンが開設された。農産加工や電子機器、化学、皮革、履物・繊維、化粧品、鉱業サービス、クリエーティブ産業などの分野から30社が出展し、中国への輸出を鉱物資源から多様化させたい南ア側の意欲を示した。

なお、マシャティーレ副大統領には、貿易産業開発省、中小企業振興省、観光省、農業省、水・衛生省の5閣僚のほか、国際関係・協力副大臣も同行した。

(トラスト・ムブトゥンガイ)

(南アフリカ共和国、中国)

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