メキシコ政府、生鮮トマトに最低輸出価格を設定
(メキシコ、米国)
メキシコ発
2025年08月14日
メキシコ経済省および農業・地方開発省は8月10日、生鮮トマトに輸出最低価格を設定すると8月8日付官報で公示した。今回の最低価格設定は、メキシコ産トマトの主要輸出先である米国が17.09%のアンチダンピング(AD)関税停止協定を離脱したこと(2025年7月16日記事参照)を受け、輸入側からの価格引き下げ圧力がかかるメキシコ生産者・輸出業者の利益を保護し、国際市場の安定を図ることを目的に策定されたものだ。
米国によるAD税停止協定の離脱に関しては、メキシコ政府および業界団体から反発の声が上がり、政府は生産者団体と連携した行動計画を発表すると7月に述べていた(2025年7月18日記事参照)。今回の協定により、トマトの品種別に次のとおり1キロ当たりの価格が設定される。市場状況に応じて、毎年またはより高い頻度で価格見直しが行われる予定だ。
- チェリートマト:1.70ドル
- ラウンドトマト:0.95ドル、茎付き:1.65ドル、房状のもの:1.70ドル
- ローマトマト:0.88ドル
- グレープトマト:1.70ドル
- その他の品種(カクテル、カンパリ、クマト、ミニローマ、エアルーム、ペラ、メドレー、サンマルツァーノ、その他):1.70ドル
米国市場におけるメキシコ産トマトの存在感は大きく、グローバル・トレード・アトラス(GTA)によると、2024年のメキシコ産トマトの総輸出量202万トンのうち、米国向けは99.83%を占めた。また、同年の米国のトマト輸入量に占めるメキシコ産比率は90.07%だった。
(深澤竜太)
(メキシコ、米国)
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