米系自動車メーカー3社、2025年4~6月期決算と関税影響を発表

(米国、オランダ)

ニューヨーク発

2025年08月08日

米国系自動車メーカー3社のゼネラルモーターズ(GM)が7月22日、ステランティスが7月29日、フォードが7月30日に2025年4~6月期(第2四半期)の決算を発表した。関税コストの増加が業績を圧迫する中、製品戦略や生産体制の見直しで影響の軽減を図る姿勢を示した。

GMは、売上高は471億ドル(前年同期比1.8%減)、調整後の利払い前・税引き前利益(EBIT)は30億ドル(31.6%減)、純利益は19億ドル(35.4%減)となった。第2四半期の関税コストは約11億ドルに達した。通年では、5月時点の発表と変わらず、最大50億ドルの負担が見込まれるとした。同時に、生産や価格戦略の見直しで、関税影響の3割以上を緩和するといった方針も示している(2025年5月7日記事参照)。また、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は、2025年第2四半期の株主向けの書簡外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、小型ピックアップトラック、フルサイズSUV(スポーツ用多目的車)など収益性の高い車種の生産増強に向け、約40億ドルを投資すると発表。米国で年間200万台規模の生産体制の構築を目指すと述べている。電気自動車(EV)戦略に関して、業界の成長が鈍化する中でも長期的な収益性確保に自信を示しつつ、当面はガソリン車市場に注力する姿勢を示した。

フォードは、売上高は502億ドル(前年同期比5.0%増)を確保したものの、調整後EBITは21億ドル(22.4%減)と減益で、純損失3,600万ドル(前年同期は18億ドルの黒字)となった。第2四半期の関税影響は最大8億ドルの減益要因となった。関税コストは、通年で最大20億ドルが見込まれているが、このうち約10億ドルをコスト削減などの「回復戦略」で相殺する計画も示した。また、部門別(注1)では、EV事業がEBITで13億ドルの赤字となり、全体を押し下げた。EV戦略について、ジム・ファーリーCEOは「8月に米国で画期的なEV展開を発表する予定」と述べ、引き続きEV推進に取り組む姿勢を示している。

ステランティスは、2025年上半期(1~6月)の売上高は743億ユーロ〔859億ドル(注2)、前年同期比12.7%減〕、調整後営業利益は5億4,000万ユーロ(6億3,000万ドル、93.6%減)、純損失23億ユーロ(26億6,000万ドル、前年同期は56億ユーロの黒字)となった。南米での売り上げは好調だったものの、同社販売の約4割を占める北米市場での売り上げ減(26.5%減)と、為替や関税の影響が響いた。関税負担については、上半期で約3億ユーロ(3億5,000万ドル)、通年では最大15億ユーロ(17億3,000万ドル)に達する可能性があるとした。6月に就任したアントニオ・フィローザCEO(2025年7月2日記事参照)は「2025年は厳しい年になる見通しだ」としながらも、「課題を現実的に捉えつつ、収益性の高い成長と大幅な業績回復の再構築に必要な厳しい決断を下し続けていく」と述べた。

(注1)「フォードモデルe」:EV事業、「フォードブルー」:ガソリン車・ハイブリッド車事業、「フォードプロ」:商用車事業。

(注2)発表時点の換算レートによる。

(大原典子)

(米国、オランダ)

ビジネス短信 138a6d95d68406b1