ステランティスの新CEOに、元北米COOのアントニオ・フィローザ氏就任

(米国、欧州、中南米)

シカゴ発

2025年07月02日

ステランティス(本社:オランダ・アムステルダム)は6月23日、アントニオ・フィローザ氏の最高経営責任者(CEO)就任と、新たな経営陣を発表した。フィローザCEOはこれまで、2021年に南米地域の最高執行責任者(COO)、2023年にジープのCEO、2024年12月に北米・南米両地域のCOO、2025年1月には最高品質責任者(CQO)に就任した。今後も引き続き、クライスラー、ダッジ、ジープ、ラムといった北米ブランドの責任者も務める。

今回の新CEO就任について、米国ステランティス・ナショナル・ディーラー・カウンシル(ステランティスの自動車を販売するディーラーを代表する団体)のマイケル・ベッテンハウゼン会長は「彼と一緒に仕事ができること、彼が私たちの近くにいてアクセスしやすいことを歓迎する」と述べている(「オートモーティブ・ニュース」6月23日)。フィローザCEOがデトロイト近郊を拠点とすることは、カルロス・タバレス前CEOが欧州を拠点としていたことと対照的で、今後、同社が北米市場での事業に注力することを示唆しているとの見方もある。同社にとって、北米は地域別売上高が首位の欧州に次ぐ市場であるにもかかわらず、販売が低迷しており、近年では市場シェアの低下が目立っている。自動車関連サービス企業コックス・オートモーティブのデータ(注)によると、年間販売台数のシェアは、2023年の9.8%(約153万台、第5位)から、2024年には8.1%(約130万台、第6位)、2025年3月時点(第1四半期)では7.4%(約28万台、第7位)まで低下している。

(注)コックス・オートモーティブのデータでは、韓国の現代と起亜が合算され、ステランティスを上回る販売台数が計上されている。

(星野香織)

(米国、欧州、中南米)

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