米GM、関税措置で2025年の利益が最大50億ドル減少すると発表
(米国)
シカゴ発
2025年05月07日
米国自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)は5月1日、2025年第1四半期の株主向けの書簡の中で「関税措置で今年の利益が最大50億ドル減少する」と発表した。
同社は4月29日に書簡の公表を予定していたが、ドナルド・トランプ大統領の追加関税の累積停止と自動車部品に対する緩和措置の発表を受け(2025年4月30日記事参照)、公表を2日延期するという異例の事態になった。この書簡の中で、同社はトランプ政権の発表を加味した後の2025年の利払い前・税引き前利益(EBIT)の見通しを100億~125億ドルとしたが、これは同社が2025年1月28日に発表した北米の政策環境が安定した場合に想定される137億~157億ドルを大きく下回ることになった。また、今回更新された見通しは2024年のEBIT利益の149億ドルを大きく下回った。
GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は、見通しの大幅な引き下げにもかかわらず、書簡の中で「GMの事業は、新たな貿易政策環境に適応し、サプライチェーンの強化をさらに進め、電気自動車(EV)の利益率向上を追求する中で、成長を続けており、根本的に健全な状態にある」とし、「貿易を含む政策が変化する中、われわれはトランプ政権との緊密な対話を継続していくことを期待している」と続けた。さらに、同社は現在19州に50の製造工場と部品施設を保有しているが、そのうち11カ所が車両組立工場で、今後も米国での投資を拡大していくとしている。
また、同社のポール・ジェイコブソン最高財務責任者(CFO)は5月1日のカンファレンスコール(電話会議)の中で、4月29日の関税緩和措置の発表について「米国での事業拡大を促進しつつ、投下資本の十分なリターンを保障する賢明な政策」と述べた。
(星野香織)
(米国)
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