トランプ米大統領、インドに25%の関税賦課を表明、ロシア産品輸入に対する「罰金」も示唆

(米国、インド)

ニューヨーク発

2025年07月31日

米国のドナルド・トランプ大統領は7月30日、SNS投稿を通じて、インドからの輸入に対して8月1日から25%の関税を適用する意向を示した。2025年4月2日に発表され、8月1日に適用を開始予定だった米国のインドに対する相互関税の税率は26%に設定されていた。仮にトランプ氏の投稿がインドに対する相互関税を示す場合には、8月1日までに税率変更の行政命令の発令や連邦官報の公示を通じて詳細が示される見込みだ。

トランプ氏は投稿の中で、インドの関税障壁および非関税障壁に不満を示した。また、ウクライナへの侵攻を続けるロシアからインドが防衛装備やエネルギー資源を調達していることを問題視し、25%の関税に加えて「これらに対する罰金(ペナルティー)を払うことになる」と述べた。

ロシアからのエネルギー資源の輸入に関連して、トランプ氏は7月14日に、ロシアが50日以内(9月上旬まで)に停戦に合意しない場合に、ロシアの歳入を制限するため、ロシアからエネルギーを輸入した国に対して100%の「2次関税」を課す意向を示していた。さらに同氏は7月28日に、50日以内の猶予期間を10~12日以内(8月上旬まで)に短縮する意向を示していた(CBS NEWS、7月28日)。

トランプ氏は別の投稿で、米国がインドとの2国間で「巨額の貿易赤字」を抱えているとも指摘した。2024年の米国とインドの2国間の財貿易収支は、米国の457億ドルの赤字だった。

なお、米国はこれまでに、日本(2025年7月24日記事参照)やEU(2025年7月29日記事参照)などとの関税協議を通じて、相互関税の税率を引き下げることなどで合意を成立させているが、税率の変更に関する行政命令や連邦官報は発表されていない。今回のインドに対する税率の変更を含めて、トランプ政権が合意を実行に移すかが注目される。

(葛西泰介)

(米国、インド)

ビジネス短信 d670771d036e25f1