対中半導体輸出承認の見通しも、厳格な対中輸出管理の方針は変わらない見通し
(米国、中国)
ニューヨーク発
2025年07月18日
米国半導体大手エヌビディアは7月14日、同社製の人工知能(AI)半導体「H20」の輸出許可(ライセンス)申請が承認される見込みだと発表
した。同業大手の米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も同日、同社製AI半導体「MI308」のライセンス申請の審査が進展する見込みと明らかにした。
米国商務省は2025年4月に、エヌビディア製の半導体「H20」とAMD製の半導体「MI308」について、中国など特定国への輸出に当たって、事前のライセンスが必要だとし、輸出管理対象に追加していた(2025年4月17日記事参照)。
今回、エヌビディアは発表資料で「ジェンスン・フアン当社最高経営責任者(CEO)は顧客に対して、H20のライセンスを申請中だと報告した。米国政府はライセンスの承認を保証しており、早期の出荷の開始を期待している」と記載した。また、AMDは、商務省が同社に対し、MI308のライセンス申請の審査を進展させると伝えたと明らかにした。これを受け、同社は中国へのMI308の出荷を再開する予定だという(ブルームバーグ7月15日)。
米中両国は6月に英国ロンドンで開催した米中通商協議を通じて、中国の重要鉱物の対米輸出管理の緩和や、米国の半導体、航空機部品、半導体関連ソフトウエア、エタンの対中輸出管理の緩和の枠組みに合意したとされる(2025年6月13日記事参照)。米中両国は「合意」に関する共同声明や文書などを公表しておらず、詳細は現在も不明だが、仮に米国が中国への半導体の輸出ライセンスを承認する場合には、米国側が「合意」を履行する格好となる。
ただし、商務省がこれらの製品の輸出ライセンス申請を承認したとしても、ライセンスの申請要件自体が撤回されたわけではない。商務省はこれら製品の輸出に米国の国家安全保障上の脅威があるなどと判断すれば、既存のライセンスを停止する権限を有する。そのため、今回のケースは、米国が対中輸出管理を根底から緩和したことを示唆するものではなく、措置の一部を局所的に緩和した措置とみられる。
実際に、ハワード・ラトニック商務長官も、7月15日にメディアインタビューで、エヌビディアのH20について、同社製品の中で「4 番目に優れた」性能を持つ製品と述べた上で、「われわれは、(同社の)最高の製品も、2 番目に優れた製品も、3 番目に優れた製品も販売しない」と述べ(CNBC7月15日)、先端半導体に関する厳格な対中輸出管理の政策方針に変化がないことを強調した。
(葛西泰介)
(米国、中国)
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