中国、一定額以上の医療機器の政府調達でEU企業・EU域内製品の参入を制限

(中国、EU)

北京発

2025年07月09日

中国財政部は7月6日、医療機器の政府調達でEU域内製品の参入を一部制限する措置を実施する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同措置は即日適用された。

同措置では、予算が4,500万元(約9億円、1元=約20円)以上の医療機器の政府調達で、輸入品を調達する必要がある場合、EU企業を排除するとした。入札に参加するEU以外の企業に対しても、EUからの輸入品が契約金額の50%を超えてはならないとした。なお、政府調達の要件を満たすことができる医療機器がEUからの輸入品に限られる調達案件については、上記の措置は適用しないとした。また、中国に進出したEU企業が中国で生産する製品は同措置の適用の対象外となるとしている(注)。

同措置では、手術用器具、医療用内視鏡、MRI装置などが対象となるほか、病棟・病院関係設備や医療用の制服、医療用ゴム製品、血液製剤や診断・実験用試薬、中空カプセルなどが対象に含まれており、品目は多岐にわたっている(対象品目については添付資料表参照)。

商務部報道官は同日、今回の措置について、EUが6月20日に発表したEU域内の医療機器公共調達から中国企業を排除する措置(EUの措置は2025年6月26日記事、中国側の反応は同日記事を参照)に対抗するもので、中国企業の合法的な権益を守り、公平な競争環境を維持するためのものとコメントした。

(注)中国は政府調達法で、政府調達では原則として中国産の貨物・サービスを用いるよう規定している。財政部は2024年12月に公表した「政府調達分野の国産品標準および実施政策にかかる事項に関する通知」(意見募集稿、執筆時点で未公布)で、政府調達に関する製品について「中国産」とする基準とそれに対する優遇策などを示すとともに、外資系企業も平等に優遇策の対象となると明記している(2024年12月13日記事参照)。

(張敏)

(中国、EU)

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