中国、EUの医療機器公共調達規制に反対、公平な競争の阻害と批判

(中国、EU)

北京発

2025年06月26日

中国商務部は6月24日、EUが医療機器に関する公共調達への中国企業・製品の参入を規制することに対し、強い不満を表明し、断固として反対するとの立場を示した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

商務部は「1月に発表してEUに対し実施していた貿易投資障壁調査の結論(2025年1月20日記事参照)でも示したとおり、EUが公共調達や投資などの分野で中国企業に対する障壁を継続して設けている」と指摘した。今回の措置は、中国が複数回の協議を通じて表明した善意と誠意を無視し、一方的な手段を用いて新たな保護主義的障壁を設けたものだとした。同措置は中国企業の利益を損なうのみならず、公平な競争を深刻に阻害すると批判した上で、中国はEUに対し即座に誤りを正すよう促すほか、中国企業の合法的な権益を断固として守るための措置をとるとした。

国際調達措置(IPI)規則に基づく中国国内の医療機器の公共調達に関する調査結果(2025年1月21日記事参照)を受け、EUは6月20日、域内での概算価額500万ユーロ以上の医療機器公共調達への入札に対して、中国企業を排除するとした(2025年6月26日記事参照)。EUは同措置について、中国が長年、EU製の医療機器を排除してきたことへの対抗措置と位置づけている。

これを受け、在EU中国企業からなるEU中国商会は同日、EUの一方的な保護主義措置と中国企業への不当な差別的措置に対し、断固として反対するとの声明を発表した。また、中国とEUがWTOの「政府調達協定(GPA)」や公共調達に関して、長期にわたって協議を続けている中で、EUが一方的な措置を講じたことに対し、非常に遺憾だとした。

中国外交部の郭嘉昆報道官は6月20日の記者会見で今回の措置について、EUは一貫して「世界一開かれた市場」を自負しているが、実際には保護主義に傾きつつあり、えてして一方的な措置を講じると指摘した。また、「公平な競争」の名の下に「不公平な競争」を行うことは典型的な二重基準だと批判した。その上で、EUが市場開放へのコミットメントとWTOルールを確実に守り、中国企業にとって公平・透明・非差別的なビジネス環境を確保し、中国と欧州の経済貿易関係の健全かつ安定的な発展を推進することを望むとした。

(張敏)

(中国、EU)

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