2024年の対米直接投資額は5兆7,000億ドル、日本が6年連続で首位
(米国、日本)
ニューヨーク発
2025年07月23日
米国商務省経済分析局(BEA)は7月22日、2024年の直接投資統計を発表した。同年末の対米直接投資残高は、最終的な実質所有者(UBO)ベース(注)で、前年比6.2%増の5兆7,077億ドルとなった。国別では日本が最大で、前年比3.3%増の8,192億ドルだった。日本は2019年から6年連続で国別首位を維持した(添付資料図参照)。
日本からの投資を産業別にみると、製造業への投資がこれまでどおり最も大きく、前年比0.5%増の3,860億ドルで、日本の対米直接投資残高の約半分に当たる47.1%を占めた。ただし、製造業の中で最大の化学は前年比4.0%減だった。一方で、電気機器・家電・同部品が前年比19.1%増、食品が同14.6%増、機械が12.1%増と伸びた。
対米投資額が国別で2番目に大きかったのは、カナダで8,117億ドル(前年比8.9%増)だった。以下、ドイツの6,773億ドル(同3.2%増)、英国の6,673億ドル(同5.1%増)、アイルランドの3,897億ドル(同10.7%増)が続いた。
日本は7月22日時点(日本時間)で、米国と関税措置を巡って協議を行っている(2025年7月22日記事参照)。ドナルド・トランプ大統領は追加関税賦課の目的の1つに、対米投資の拡大を掲げているが、首都ワシントンの日米関係の専門家は「日本による対米投資の大きさは、これまで何度も日本が米国に伝えてきた」とし、投資額の大きさは日本にとって好材料となるものの、現在のトランプ政権は貿易赤字問題に固執していることから、合意するには「米国からの輸入を拡大するといった見出しが必要だろう」との見解を示している。
なお、米国の対外直接投資残高は2024年末時点で6兆8,268億ドルとなった。国別では、ルクセンブルクとドイツに対する投資が拡大した。産業別では、製造業の投資が最も拡大し、中でもコンピュータ・電子製品が牽引した。
(注)投資主体を最終的に所有またはコントロールしている事業体(UBO:Ultimate Beneficial Owner)が所在する国を基準とした集計値。
(赤平大寿)
(米国、日本)
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