第6回タイEU・FTA交渉会合、3つの章で大筋合意
(タイ、EU)
バンコク発
2025年07月08日
タイ商務省は6月27日、タイEU自由貿易協定(FTA)の第6回交渉会合をバンコクで6月23日から27日にかけて開催したことを公表した。
第6回交渉会合では、次の3つの章が大筋合意に達した。
- 貿易と持続可能な開発(TSD):環境・労働・社会に関する貿易関連基準を強化。
- 中小企業:貿易規制や措置に関する包括的な情報へのアクセスを中小企業向けに確保。
- 貿易の技術的障壁(TBT):貿易円滑化と不要な規制障壁を緩和。
TSD章については、タイの政策が環境・労働・社会基準の向上を重視している点と、EUの「欧州グリーン・ディール」が一致しており、持続可能な貿易の発展に向けた世界の潮流と方向性にも沿ったものとしている。TSD章は、EUが交渉当初から協定の心臓部と位置付けており、(タイが一部未批准の)ILOなどに沿った労働基準や環境基準、生物多様性など幅広い規律の草案を提示していた(2023年10月5日記事参照)。
また、物品の市場アクセスについて議論したほか、サービス貿易および投資に関する双方のオファーについて意見を交換し、次の交渉までに必要な作業を確認したという(2025年5月7日記事参照)。次の第7回交渉は、9月29日から10月3日にかけて、ベルギーのブリュッセルで開催される予定。
(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ、EU)
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