タイEU・FTA交渉が進展、持続可能な食料システムなど合意
(タイ、EU)
バンコク発
2025年05月07日
タイ商務省は3月31日から4月4日に、EUとの第5回自由貿易協定(FTA)交渉会合をブリュッセルで実施したと発表した。ピチャイ・ナリプタパン商務相によると、ルール交渉や市場アクセスで、次のとおり進展があったという。
ルール交渉については、貿易円滑化(CTF)と持続可能な食料システム(SFS)の2章で交渉が妥結した。CTFは税関手続きの現代化に向けた協力、SFSは強靭(きょうじん)で持続可能な食料システムの開発に向けた協力を含む。EUが公表しているSFSのテキスト案によると、食料システムにおける化学農薬や肥料の使用削減、同システムを通じた温室効果ガス排出量の低減、動物福祉の向上など、幅広い面で協力することが提案されている。
市場アクセスについては、関税など、物品貿易の分野で交渉が開始された。サービス・投資分野では、6月初旬に双方の初回オファー(注)が予定されている。
双方が目指す2025年内の交渉妥結に向けて、今後は第6回交渉会合が6月23~27日にタイで開催される予定だ。
(注)FTA交渉で各国が提示する譲歩案。物品貿易では関税の削減・撤廃、サービス貿易では市場開放、投資分野では規制緩和が含まれる。
(藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ、EU)
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