英政府、サイズウェルC原子力発電所の最終投資決定を発表
(英国、チェコ)
ロンドン発
2025年07月23日
英国政府は7月22日、サイズウェルC原子力発電所に関する最終投資決定(FID)を発表した。(同原子力発電所の詳細は2024年9月12日記事参照)。国内全体で3,500社の英国企業がサプライチェーンに関わると見込まれている。政府は6月に歳出見直し(Spending Review)の一環で、サイズウェルC原子力発電所の建設に142億ポンド(約2兆8,258億円、1ポンド=約199円)を投資すると発表していた(2025年6月12日記事参照)。
政府は同プロジェクトのシェアホルダーで最大割合となる44.9%の出資を行う。一方、民間部門からは、カナダの投資会社ラ・ケス(La Caisse)が20%、エネルギー大手セントリカ(Centrica)が15%、フランス電力(EDF)が12.5%、インフラ投資アンバー・インフラストラクチャー(Amber Infrastructure)が7.6%の出資を行う。この投資と並行して、ナショナル・ウェルス・ファンド(NWF、2024年7月18日記事参照)が建設資金調達のために最大366億ポンドを融資する。
小型モジュール炉(SMR)関連では、政府はSMR建設の英国初の優先交渉者として、ロールスロイスの子会社ロールスロイスSMRを選定した(2025年6月12日記事参照)。また、7月14日にはキア・スターマー首相がチェコのペトル・フィアラ首相と民生用原子力に関して覚書(MoU)を締結した。両国間の産業連携や他の欧州諸国への輸出機会の拡大を図るほか、ロールスロイスSMRによるチェコへの新炉の輸出を支援するとしている。ロールスロイスSMRは2024年10月、チェコ政府が株式の約70%を保有するチェコ電力とSMRの開発・建設に関する戦略的パートナーシップ協定を締結していた(2024年11月7日記事参照)。
(バリオ純枝)
(英国、チェコ)
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