ラオス投資フォーラム、大阪でジェトロなどが開催

(ラオス、日本)

ビエンチャン発

2025年07月28日

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のラオスナショナルデー(7月9日、2025年7月24日記事参照)に合わせ、翌10日に「ラオス投資フォーラム」が大阪で開催された。ラオス政府やジェトロ、日本アセアンセンターの共催で行われ、日本企業関係者ら約120人が参加した。

冒頭でカムチェン・ボンポーシー・ラオス首相府大臣は、ラオスでは周辺国との連結性向上により、物流や観光など多様な分野で投資機会が拡大していると強調した。投資奨励管理委員会投資奨励局のワンタナ・ノーリンタ局長は、2030年には同国の総発電容量の90%がクリーンエネルギー由来(うち水力58.2%、風力24.4%など)となる見込みで、これらの電力を活用したグリーン生産拠点の可能性に言及した。

パネルディスカッションでは、現地進出日系企業とラオス企業の代表が登壇した。ジェトロ・ビエンチャン事務所の菊池保志所長は経済特区の優遇措置の手厚さに触れ、内陸国ながらコストを抑えた製造拠点としての魅力を指摘した。物流面では、郵船ロジスティクス・ラオの町田省吾社長が、ドライポートの整備によって通関時間が半減した点を評価し、今後は物流コストのさらなる削減が課題だと述べた。

ラオツムラの中井洋一郎社長は、自社栽培に加え、農家と個別契約を締結して委託栽培を実施していることを紹介した。2024年に新たに公布・施行された組合法により、組合を通じた委託生産の今後の拡大に期待を寄せた。トヨタ・ラオスの稲田邦彦社長は、コンプライアンスの徹底によってAEO(認定事業者)認定を受けたことで、自動車の通関手続きが簡略化され、保税のまま自社倉庫に一時保管が可能となるなど、メリットを享受できる点を評価した(2023年3月1日記事参照)。さらに、ラオスは若年人口が多く、識字率向上や謙虚な国民性から、マニュアルに基づいた作業への適性が高いと分析した。

最後に、ラオス商工会議所理事で地場企業イントラグループのインティ・ダンサワン社長は、ラオスが森林など豊かな自然環境に恵まれており、エコツーリズムの拠点となる可能性があると指摘した。近年はホテルなどホスピタリティー業の進出が進んでいることを踏まえ、日本企業によるグリーン分野への投資に期待を示した。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(山田健一郎)

(ラオス、日本)

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