米下院、「大きく美しい1つの法案」の上院修正案を可決
(米国)
ニューヨーク発
2025年07月04日
米国連邦議会下院は7月3日、「大きく美しい1つの法案」の上院修正案(2025年7月2日記事参照)を賛成218票、反対214票で可決した。
共和党から財政保守派のトマス・マッシー議員(ケンタッキー州)、メディケイドの削減などを懸念する穏健派のブリアン・フィッツパトリック議員(ペンシルバニア州)の2人が反対票を投じたものの、上院修正案に反対を示していた財政保守派(2025年7月3日記事参照)の大半の支持を取り付けることに成功した。財政保守派に対しては、インフレ削減法(IRA)に基づく風力・太陽光発電向けの税額控除について、特に批判の対象となっていた特例措置(総費用の5%を費やして1年以内に建設を開始した場合には、2027年以降の稼働でも税額控除の対象とするもの)の運用を厳格化することなどが約束されたもようだ(政治専門紙「ポリティコ」7月3日)。
同法案は、ドナルド・トランプ大統領が7月4日までに署名し、成立する見通しだ。下院での可決を受け、ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は「トランプ大統領の『大きく美しい1つの法案』は(2024年11月の大統領選でトランプ氏に票を投じた)約8,000万人の米国民が支持した常識的な政策、すなわち史上最大の中流階級減税、恒久的な国境警備、巨額の軍事費、財政健全化を実現するものだ。この歴史的な法案に含まれる成長促進政策は、かつてないほどの経済成長を促すだろう。トランプ大統領はこの法案に署名し、米国の黄金時代が正式に幕を開けることを楽しみにしている」と述べた。
(加藤翔一)
(米国)
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