空気清浄機と掃除機を管理指定、PM2.5対策で事業者に報告義務

タイ商務省・内務貿易局（DIT）傘下のタイ物品・サービス価格中央委員会（CCP）は5月8日、空気清浄機および掃除機に関して価格と数量の報告義務を課す告示をそれぞれ発表した。告示は同日に施行され、今後1年間有効な措置として、事業者は毎月10日までにDITに対して、これら品目に関する報告義務を課される（注1）。

CCPは国内の公正な価格や供給の確保を目的に、価格統制品目リストを指定する権限を有する（注2）。過去には新型コロナ禍を受けて、フェースマスクを同リストに指定していた（2024年2月19日記事参照）。

タイ政府は、4月22日に空気清浄機と掃除機をリスト指定する閣議承認を行い、その理由として、PM2.5などの粉塵による大気汚染の悪化により、これら2品目の需要が増加していると説明。その後4月30日、CCPが正式に価格統制品目リストに追加する告示第1/2568号を出しており、今回、具体的な規則が示された。具体的な対象製品と義務は次のとおり。

【対象製品】

• 空気清浄機：HEPAフィルターおよびイオン注入機能を備えた床置き型で、最大80平方メートルの屋内向けのもの。
• 掃除機：屋内用の電気コード付き標準掃除機（ダストバッグまたは容器付き）およびコード付き・コードレスのハンディ掃除機。消費電力は500～2,000ワット。

【義務】

• 対象製品に関わる製造者、輸入者、販売業者、流通業者に対して、商標や型番、種類、使用面積、工場出荷価格、輸入価格、販売価格、生産量、輸入量、販売量、在庫残量を、翌月10日までに毎月DITに報告する義務を負う。
• 報告様式は、CCP告示第2/2568号で定められた様式に従う必要がある。

（注1）ジェトロが5月30日にDITに取材したところ、報告期限について、4月分は6月9日、5月分は6月10日、6月以降は翌月10日となっている。報告義務が延長されない場合、最終報告は2026年3月分で、同年4月10日が期限となる。

（注2）今回の追加により、価格統制品目リストは計59品目（製品54品目、サービス5品目）となるが、空気清浄機と掃除機は現時点で公表されているリストに含まれていない。DITの担当者によると、これら品目を含む更新版のリストは7月に公表される見込み。

（藪恭兵、シリンポーン・パックピンペット）