シンガポールとルワンダ、炭素クレジット実施協定に署名
(シンガポール、ルワンダ)
シンガポール発
2025年05月08日
シンガポール政府は5月6日、ルワンダとカーボンクレジット(炭素クレジット)協力に関する実施協定に署名した〔シンガポール貿易産業省(MTI)プレスリリース〕。同実施協定は、パリ協定第6条に沿った、炭素緩和プロジェクトから創出された炭素クレジット移転の枠組みを確立する。実施協定に基づく炭素クレジットプロジェクトの認可および炭素クレジットの方法に関する情報は追って発表される。
本実施協定に基づく調整された炭素クレジットは、シンガポールの「国際炭素クレジット(ICC)フレームワーク」に基づいて、企業の課税対象排出量の一部と相殺できる(2024年6月6日付地域・分析レポート参照)。シンガポールの炭素税は、2024年から二酸化炭素(CO2)換算排出量1トン当たり25シンガポール・ドル(約2,800円、Sドル、1Sドル=約111円)。2026~2027年には45Sドル、2030年までには50~80Sドルまで引き上げられる予定だ。
シンガポールとルワンダは2023年12月、パリ協定第6条に沿ったカーボンクレジットに協力に向けた覚書(MOU)に署名した(2023年12月18日記事参照)。同MOUの下で、炭素クレジットの国際移転に関する2国間枠組みを定め、法的拘束力のある実施協定締結に向けた取り組みが進んでいた。
シンガポールにとってルワンダとの実施協定は、パプアニューギニア、ガーナ、ブータン、ペルー、チリに続く6例目(2025年4月9日記事参照)。シンガポールはこれらのほかに、パラグアイ、ベトナムそれぞれとの間で、実施協定交渉が実質的に妥結している。また、その他の一部の国との間でも、パリ協定第6条に沿った炭素クレジット協力に関する協力に向けたMOUに署名し、実施協定締結に向けた取り組みが進んでいる。
(朝倉啓介)
(シンガポール、ルワンダ)
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