現代自動車グループ、自動車製造に向け事前営業認可を取得

(アルジェリア、韓国、オマーン)

パリ発

2025年05月26日

韓国自動車メーカーの現代自動車は、アルジェリアでの自動車の現地製造の開始に向け、アルジェリア産業省から事前営業認可を取得した。アルジェリアのシフィ・グリエブ産業相は5月19日、アルジェで同社の現地法人「ヒョンデ・モーター・マニュファクチャリング・アルジェリア」を代表とするオマーンの代表団を迎え、同ブランドの自動車製造プロジェクトの早期立ち上げに向け会談を行った(5月19日付国営通信社「アルジェリア・プレス・サービス」)。

現代自動車は2024年以降、オマーンのスハイル・バフワングループ・ホールディングやOTEグループを通じて、製造活動の開始に向け同省との交渉を継続した。オマーンのハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード国王が5月上旬にアルジェリアを公式訪問した後、アルジェリアのアブデルマジド・テブン大統領は5月18日の閣僚会議で、関係省に対して、同社の投資プロジェクトの実施に向け必要な調整を実施するように指示した。

乗用車、バス、トラック、バイクなどを対象に、国内調達率、自動車輸出の義務、電気自動車製造の義務、一部工程の現地化、燃料の種類の制限など多岐にわたる現地製造要件を規定する政令22-384号に基づき、今回、現代自動車は事前営業認可、最終営業認可の2段階から成る申請制度の第1段階(2022年11月25日記事参照)をクリアした。投資額、年間生産能力など、同プロジェクトの詳細は公表されていないが、車種については乗用車と商用車が生産される予定だ。

2024年以降、捷途(ジェツアー)、奇瑞汽車(チェリー)など、複数の中国自動車メーカーはアルジェリア進出を既に発表しているが、その後、製造拠点の稼働に関する公表や報道がない(2025年5月1日記事参照)。そのような中、今後、現代自動車の計画が具体化すれば、自動車大手ステランティスの傘下にあるイタリア自動車メーカーのフィアットの製造拠点に続き(2023年12月21日記事参照)、アルジェリア国内で乗用車製造を行う2つ目の大手自動車メーカーとなる。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、韓国、オマーン)

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