インド政府、HCLグループとフォックスコンの合弁企業による半導体製造プロジェクト承認
(インド)
ニューデリー発
2025年05月21日
インド政府は5月14日、地場IT企業大手HCLグループと、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下フォックスコンの合弁会社による、北部ウッタル・プラデシュ(UP)州でのディスプレードライバーICの製造工場の設立計画を承認したと発表した。現在建設中のノイダ国際空港に隣接し、ヤムナ高速道路産業開発局(YEIDA)の管轄する工場団地内に立地する。投資予定金額は370億6,000万ルピー(約630億円、1ルピー=約1.7円)で、月間でウエハー2万枚分に当たるチップ3,600万個の生産能力を見込む。製品は携帯電話やPC、自動車、その他のディスプレー付きデバイスに使用される予定だ。
UP州政府は2024年2月に半導体政策を公表しており、同年11月には同半導体製造工場計画を州政府として承認していた(2024年12月10日記事参照)。中央政府としては、国内で6件目の半導体関連の工場設立計画を承認したことになる。
地元メディアによると、予定されている投資額370億6,000万ルピーのうち、規定に従って約150億ルピーは中央政府の補助金対象とされ、UP州政府からも一部補助金が提供される。同工場での生産が開始されれば、国内で同タイプの半導体需要の約4割を満たすことが可能になると報じられている。また、インド電子・情報技術省のアシュウィニ・バイシュナウ大臣は、同工場が2027年に半導体生産を開始すると発言した(「インディアン・エクスプレス」紙5月14日)。
フォックスコンはインド資源開発大手ベダンタとの合弁で、インド初の半導体製造を計画していたが、2023年7月に合弁を解消した(2023年7月13日記事参照)。その後、2024年1月に開催された西部グジャラート州の投資サミット「バイブラント・グジャラート2024」で、HCLグループと半導体組み立てやテストの分野で提携すると発表していた(2024年3月1日付地域・分析レポート参照)。
(花村大樹)
(インド)
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