タイ政府、米国関税政策に対し、交渉枠組みとして5項目を提案

(タイ、米国)

バンコク発

2025年05月16日

タイのピチャイ・チュンハバジラ副首相兼財務相は5月14日、米国の輸入関税政策に関する交渉の進捗状況について記者会見を行った。タイ政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、会見ではタイがデータセンター、人工知能(AI)などの各分野における関税・非関税障壁の削減策の検討や、エネルギー製品、航空機などの輸入増加、農産品の市場開放など5項目を盛り込んだ交渉枠組みを米国通商代表部(USTR)に提出したと公表した。

交渉枠組みの内容は次のとおり。

  1. タイと米国間の経済連携、特に加工産業とデジタル技術産業(データセンターおよびAI産業)に向けた協力、関税および非関税の貿易障壁削減策の検討。
  2. 米国からの物品輸入の増加。特にエネルギー製品、農産品、航空機・同部品の輸入を拡大する。
  3. 果物、飼料用トウモロコシなどのタイ農産物市場の開放。
  4. タイが既に本格的に施行し始めている原産地偽装請求防止法の施行。
  5. タイ企業による米国向け投資の促進。

ピチャイ氏によると、スコット・ベッセント米財務長官は、5月13日に開催されたサウジアラビア投資フォーラムに出席した際にこの提案に言及し、「タイの提案は、インドネシアや台湾の提案と同様に良い提案」と前向きな姿勢を示した。詳細を検討するため、今後は米国の実務担当者が任命される予定だ。

(藤田豊、シリンポーン・パックピンペット、ピンラウィー・シリサップ)

(タイ、米国)

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