4月の輸出入は前年同月比で増加、米国向け輸出は34%増

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年05月20日

ベトナム税関総局が発表した速報値によると、4月の輸出は374億4,544万ドル(前年同月比19.7%増)、輸入は368億6,875万ドル(22.8%増)だった。米国の相互関税の本格的導入を前にした動きも影響したとみられ、輸出入ともに前年同月を上回った。貿易収支は5億7,669万ドルの黒字(54.1%減)だった。

主要国・地域別にみると、輸出は1位の米国が120億2,347億ドル(前年同月比34.0%増)、2位の中国が49億4,406万ドル(7.8%増)、3位の韓国が22億2,952万ドル(18.6%増)だった(添付資料表1参照)。

輸入では、1位の中国が150億6,128億ドル(前年同月比30.6%増)、2位の韓国が45億7,671万ドル(5.7%増)、3位の台湾が24億7,921万ドル(47.1%増)だった(添付資料表2参照)。

対世界輸出を品目別にみると、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が電話機・同部品だった(添付資料表3参照)。コンピュータ電子製品・同部品は前年同月比58.7%増の81億4,607万ドルで、そのうち39.8%を米国向けが占める。

輸入の1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が織布・生地だった(添付資料表4参照)。

米国と中国はベトナムにとって2大貿易相手国だ。米国とは、ドナルド・トランプ米大統領が相互関税導入の停止を発表して以降、2国間貿易協定の交渉を進めている(2025年4月14日記事参照)。中国とも、経済のグローバル化を進めることで一致(2025年4月18日記事参照)しており、両国とのバランスに留意しながらのかじ取りを迫られている。

米国向けの輸出を主要品目別にみると、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が縫製品だった(添付資料表5参照)。コンピュータ電子製品・同部品が前年同月比84.3%増、玩具・スポーツ用品が約3.1倍など、出荷の動きが活発化した品目もみられた。

中国からの輸入を主要品目別にみると、1位はコンピュータ電子製品・同部品、2位は機械設備・同部品、3位は織布・生地だった(添付資料表6参照)。主要品目の上位10品目のうち8品目が前年同月比で2桁増加しており、多くの品目が部材の調達とみられる。

(小林真龍)

(ベトナム)

ビジネス短信 4caf3e6a8108f319