エジプト中銀、前月に続き利下げ、IMFの好感レビューで
(エジプト)
カイロ発
2025年05月27日
エジプト中央銀行(CBE)は5月22日、政策金利を1.0ポイント引き下げて24.5%とすると発表した。4月17日に4年5カ月ぶりに2.25ポイント引き下げたばかりだったが、ほぼ1カ月で再度利下げした(2025年4月30日記事参照)。
前回4月の金融政策委員会(MPC)以降、世界の貿易政策とサプライチェーンが混乱する可能性から世界経済見通しが弱まっている。一方、エジプト国内では実質GDPが潜在成長率を下回っており、需要側のインフレ圧力は今後も抑制されると示唆されていることから再度の引き下げを決めた。直近のインフレが落ち着いている原因は、食品価格の下落が非食品部門のインフレを相殺したものと分析している。
IMFは、エジプト政府に対する80億ドルの拡大信用供与措置(Extended Fund Facility、 EFF)に基づく経済動向の第5回レビューを実施中で、IMFのジュリー・コザック広報局長は5月22日記者会見において「エジプトはマクロ経済改革プログラムで明確な進展を遂げており、インフレ率と外貨準備高が著しく改善している」と評価した。
これに先立つ4月24日の記者会見では、IMFのジハド・アズール中東・中央アジア局長が、エジプトの2023/2024会計年度(2023年7月~2024年6月)のGDP成長率が2.4%だったところ、2024/2025年度は3.8%、2025/2026年度は4.3%に拡大、インフレ率は2023/2024年度の平均が33%だったところ、2024/2025年度は19.7%、2025/2026年は12%にまで低下することが見込まれると述べていた。
EUは5月19日、エジプトに対してマクロ金融支援(MFA)40億ユーロを提供することを欧州議会と暫定合意したと発表していた(2025年5月22日記事参照)。
これを好感した外国為替市場は5月25日、1ドル=49.9エジプト・ポンド(EGP)と、2024年12月6日以来のEGP高ドル安になった。
(西澤成世)
(エジプト)
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