米移民税関捜査局、トランプ大統領就任から100日で6万5,000人以上の外国人を強制送還と発表
(米国)
ニューヨーク発
2025年04月30日
米国移民税関捜査局(ICE)は4月29日、ドナルド・トランプ大統領の就任から100日間で、ICEは「公共と国家の安全を脅かす犯罪者」を含む6万6,463人の不法滞在者を逮捕し、6万5,682人の外国人を強制送還し、史上最多の不法移民の取り締まりを行ったと発表した。
移民取り締まりに当たっては、最近では国土安全保障省(DHS)のクリスティ・ノーム長官が4月21日に、米国に不法に滞在する凶悪犯罪者に対して米国から立ち去るよう促し、立ち去らない場合は1日1,000ドル近い罰金を科し、投獄した後、強制送還することになると警告する動画を発表した。この動画は国外でも視聴できるようにし、不法入国の阻止も目的としている。
同長官は翌22日には、移民局(USCIS)、政府効率化省(DOGE)とともに、全米の非市民の滞在資格確認用に、単一の信頼のおける情報源を確保するための包括的に最適化されたデータベースだとして、SAVE(Systematic Alien Verification for Entitlements)を発表した。このデータベースでは、犯罪記録や移民記録、住所などが統合され、非市民が納税者と同じ利益を享受することを防ぐとしている。
その他、トランプ政権は出生地主義を否定する大統領令に署名するなど、移民を抑制する政策も発表している(2025年1月23日記事参照)。米メディアによると、連邦最高裁判所は4月17日、この件に関して5月に特別法廷を開くと発表した(「ワシントン・ポスト」紙4月17日)。
大統領選挙前の世論調査では、トランプ氏が掲げていた各政策の中で、「不法移民の抑制」が達成を期待する項目として68%と最も高かった(2025年1月8日記事参照)。一方、経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブの世論調査(注)によると、3月の調査では、トランプ氏の移民政策に対する支持率は53%だったが、4月には45%に低下した。
また、最近の別の世論調査では、トランプ氏の支持率は低下傾向にある(2025年4月24日記事参照)。
(注)3月1~4日、米国の成人1,638人対象。4月10~22日、米国の成人1,625人対象。
(吉田奈津絵)
(米国)
ビジネス短信 a3b8ae825d3fe955