トランプ米大統領の輸入品関税に54%が反対、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年04月07日

米国のドナルド・トランプ大統領は4月になって世界共通関税と相互関税を課す大統領令を発表した(2025年4月3日記事参照)。最近の世論調査では、トランプ政権による輸入品への関税賦課に反対する割合は54%だった。

「ウォールストリート・ジャーナル」紙は46日、トランプ政権に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、トランプ政権の輸入品への関税に54%が反対と回答し、1月の調査時より8ポイント上昇した。

同調査を実施した民主党の世論調査員ジョン・アンザローン氏は、国民が置かれている状況について「国民はトランプ大統領の経済政策や関税について強い不安を抱き、様子を見ている」と述べた。

ハーバード大学米国政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが3月に実施した世論調査では、トランプ氏の関税政策への見方は、賛否が分かれる結果となった(2025年4月1日記事参照)。

選挙情報サイトのリアルクリアポリティクスによると、各種世論調査でのトランプ氏支持率の平均値は、就任当初5割を超えていたが、徐々に低下して、45日付で47.7%だ。

米国の金融大手JPモルガンは、米国や世界の景気後退入りの確率を40%から60%に引き上げた。JPモルガンでは、トランプ政権の政策の影響は報復関税や、米国の景況感の低下、サプライチェーンの混乱を通じて、拡大する可能性が高いとしている(ロイター45日)。

投資家心理を反映するCBOEボラティリティー指数(VIX、注2)は42日以降、急速に高まり、4日に45.31に達した。

5日には全米や世界各地で、トランプ氏や政府効率化省を率いるイーロン・マスク氏への抗議活動が行われたという。「ハンズ・オフ(干渉しないで)」を掲げて全米で1,400件を超える大規模抗議活動が行われた。「ハンズ・オフ」主催者によると、全米各地で数百万人が参加したという(CNN46日」。

(注1)実施時期は327日~41日、対象者は全米の登録有権者1,500人。

(注2)一般的に、VIXの数値が高いほど、投資家の先行き不透明感も強いとされる。

(松岡智恵子)

(米国)

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