トランプ米政権の関税は短期的に米国経済に悪影響を及ぼすと72%が回答、世論調査
(米国)
調査部米州課
2025年04月10日
米国のトランプ政権は4月2日に世界各国への相互関税を発表したが、その適用を90日間停止することを発表する(2025年4月4日記事、2025年4月10日記事参照)など、めまぐるしい動きを見せている。最近の世論調査では、トランプ政権の各国への関税賦課が米国経済に悪影響を及ぼすと大多数が回答した。
コネティカット州のキニピアク大学は4月9日、トランプ政権の政策などに関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、短期的にトランプ政権の関税は米国経済に悪影響を及ぼすと72%が回答した。支持政党別では、民主党支持者の97%、無党派層の77%が悪影響を及ぼすとしている。共和党支持者は44%にとどまったが、一方で46%が良い影響を及ぼすと回答した。
長期的には、関税が米国経済に悪影響を及ぼすと53%が、良い影響を及ぼすと41%が回答した。
キニピアク大学のティム・マロイ世論調査アナリストは「大多数は、関税が短期的に経済に痛手となることを認識している。時間が経てば痛みは和らぐと考える人もいるが、大多数はそうはならないと考えている」と述べた。
経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが4月に実施した世論調査(注2)によれば、トランプ政権の関税が及ぼす影響について、国民の健全な経済状況を損なう(55%)、他国の経済を損なう(55%)、米国経済を損なう(53%)、米国の国際的地位を損なう(52%)とさまざまな面で悪影響を及ぼすと過半が回答した。米国の製造業に関しては、「助ける」が39%と「損なう」(35%)を上回った。
トランプ氏3期目に大多数が否定的
トランプ氏の3期目に関する設問では、「(憲法上)容認されないと思う」と75%が回答した。52%は同氏が3選を試みるだろうとしている。なお、米国の憲法上、大統領の3期目は認められていない。
(注1)実施時期は2025年4月3~7日。対象者は全米の登録有権者1,407人。
(注2)実施時期は2025年4月5~8日。対象者は全米の成人1,741人。
(松岡智恵子)
(米国)
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