米国の相互関税措置に対し、香港は自由貿易港としての地位を強調
(香港、中国、米国)
香港発
2025年04月09日
香港政府は4月3日、米国のドナルド・トランプ大統領が4月2日に発表した相互関税と、中国本土と香港からの800ドル以下の少額貨物に対する関税を免除する非課税基準額(デミニミス)ルールの適用の撤回に対し、強い反対と不満を表明した。米国の発表によれば、香港は中国本土と同様に34%の相互関税を課される(2025年4月3日記事参照)。また、デミニミスルールの適用停止に関して、米国東部時間5月2日午前0時1分以降に通関された、中国または香港で生産された800ドル以下の製品に対して関税が課される(2025年4月4日記事参照)。
香港政府報道官は「米国の措置はいじめであり不合理だ。WTOのルールと矛盾しており、国際貿易の礎である多国間貿易システムを故意に損なっている」と述べ、相互関税措置の撤回を要求した。また、同報道官は「香港は自由貿易港であり、一貫して自由貿易を支持してきた」とし、「香港は米国からの輸入品を含むすべての輸入品に関税を課したことはない」と強調した。
陳茂波(ポール・チャン)財政長官は4月6日、米国の相互関税の発表を受けて、香港政府が運営するブログにおいて、香港が自由貿易港であることの重要性を強調しつつも、「国際貿易のハブである香港が短期的に一定の影響を受けることを避けられない」との見方を示した。一方、「自由貿易港としての地位を維持し、自由貿易政策を実施する」と強調し、米国の相互関税措置に対して報復関税を課す意図はない旨を示唆した。
(松浦広子)
(香港、中国、米国)
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