チリ外務省、米USTRとの面談で両国にとっての利益追求

(チリ、米国)

調査部米州課

2025年04月21日

チリ外務省の国際経済関係次官官房(SUBREI)は4月16日、クラウディア・サンウエサ総局長が米国首都ワシントンを訪問し、米通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表との面談を実施したとウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます上で伝えた。面談を終えた総局長は「(ワシントン訪問に当たっての)われわれの目的は達成された。USTRの代表者との直接の面談を通じ、米国にとってチリが戦略的に重要な国という点が確認できたことは有意義だった。また、今回の面談を通じて、2025年上半期中にさらに2回の面談を行うことを含むロードマップについて、両国が共同して作成することができた。今後の面談では主にデジタル経済や、経済安全保障、非関税障壁といった内容について協議しつつ、2004年に発効した自由貿易協定(FTA)に基づき、2国間の通商関係を双方にとって有益なかたちで深化することを目的としている」とコメントした。

SUBREIによると、サンウエサ総局長は今回の訪米中に、国際銅協会(ICA)や米国商工会議所の代表者とも面談を実施した。前者とは、世界の鉱物市場で確固たる地位を確立しているチリの重要性について、後者とは、FTA締結によって強まった両国の通商関係をさらに深めていく重要性について、それぞれ協議したとされている。

チリ中央銀行によると、米国はチリにとって中国に次ぐ第2位の貿易相手国で、2024年のチリの輸出総額の約15%、輸入総額の約20%を米国が占めている(2025年3月4日記事参照)。

2国間の通商関係を巡っては、チリから米国への輸入品には、米東部時間4月5日午前0時1分から10%のベースライン関税が課されている(2025年4月3日記事参照)。さらに、チリが世界有数の埋蔵量を誇る銅(2025年3月14日記事参照)とリチウム(2025年4月16日記事参照)については、米国の1962年通商拡大法232条に基づき、輸入が米国の国家安全保障に及ぼす影響に関する調査の対象となっている。

(佐藤竣平)

(チリ、米国)

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