3月の消費者物価指数上昇率、前年同月比1.03%、上昇に転じる
(インドネシア)
ジャカルタ発
2025年04月17日
インドネシア中央統計庁(BPS)が4月8日に発表した3月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比1.03%で、2月のマイナス0.09%から反発した。政府の電気料金割引措置(注)の終了や、断食月(ラマダン)入りによる需要増が物価上昇に寄与した。一方、前年同月比の上昇率は3カ月連続でインフレ目標圏(1.5%~3.5%)の下限を下回った(添付資料図参照)。なお、価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比2.48%で、1月(2.36%)、2月(2.48%)に続き、安定的に推移した。
2月には政府による電気料金割引措置の影響で、項目別では「住宅・水道・電気・家庭用燃料」(マイナス12.08%)が大きく下落し、CPI全体を押し下げた。1月も当該品目はマイナス8.75%と下落していた。電気料金割引措置の終了により、3月には前年同月比でマイナス4.68%と減少幅が縮小し、CPI上昇を後押しした。
前年同月比では、主要11品目のうち9品目で上昇した。最も上昇率が高かったのはパーソナルケア・その他サービス(8.71%)で、レストラン(2.26%)、食品・飲料・たばこ(2.07%)が続いた。CPIが下落した品目は住宅・水道・電気・家庭用燃料(マイナス4.68%)、情報・通信・金融サービス(マイナス0.24%)だった(添付資料表参照)。
こうした物価変動に対し、インドネシア中央銀行(BI)は4月8日のプレスリリースで、3月のインフレ率が前年同月比1.03%と目標圏内を下回ったものの、コアインフレ率が2.48%と安定していることから、物価はおおむねコントロールされている状態にあるとした。
(注)付加価値税(VAT)引き上げ(2025年1月9日記事参照)に伴い、国民の購買力維持と経済的負担軽減を目的に、エネルギー鉱物資源省主導で実施した経済刺激策。2025年1月1日~2月28日、国営電力会社PLNの契約容量が450ボルトアンペア(VA)、900VA、1,300VA、2,200VA以下の家庭用電力契約者(約8,142万世帯)を対象に、電気料金を50%割引。3月以降は延長されず終了している。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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