付加価値税(VAT)を12%に引き上げ、対象は高級品目のみ
(インドネシア)
ジャカルタ発
2025年01月09日
インドネシア財務省は国税規則調和法2021年第7号に基づいて予定していた1月1日からの付加価値税(VAT)の11%から12%への引き上げについて、VAT引き上げに関する財務相規則2024年第131号を2024年12月31日に公布し、2025年1月1日に施行した。また、12%の税率の適用対象は奢侈(しゃし)税の課税対象の高級品に限定すると規定した。奢侈税の課税対象は財務相規則2022年第42号と財務相規則2023年第15号で規定されており、自動車、高級住宅、飛行機、ヘリコプター、ヨットなどが対象となっている。その他の品目には、12%に12分の11を掛けた税率を適用すると規定され、実質的に11%に据え置かれた。
付加価値税の引き上げは当初、ほぼ全ての商品やサービスが増税の対象となっていたが、産業界や国民の反発を受けて、対象範囲を限定したかたちだ。12月中旬には引き上げ対象を和牛や果物、タラバガニなど一部の高級品に限ると公表していたが(「ビスニス」12月19日)、国民の反発は収まらず、政府は増税開始前日に対象範囲を奢侈税の課税対象のみとすることを決めた。
インドネシア経営者協会(APINDO)のシンタ・ウィジャジャ・カムダニ会長は、VAT引き上げ対象品目が高級品に限定されたことについて、「政府が国内経済や中間層の購買力に配慮したことを歓迎する」として、政府の決定を前向きに評価した。また「全ての関係者に最大限の利益をもたらすことができるよう、政府が実業界との対話を続けることを期待する」と述べた(「リプタン6」1月4日)。
(八木沼洋文)
(インドネシア)
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