カナダ・オンタリオ州議会選、3期連続で進歩保守党が政権維持

カナダ・オンタリオ州議会選挙が2月27日に実施され、与党のオンタリオ進歩保守党が定数124議席のうち80議席を獲得し、ダグ・フォード州首相による3期目の政権継続が決まった。2月28日時点の開票率は99.93％で、投票率は45.40％と前回の選挙と同様に低い水準だった（2022年6月8日記事参照）。

野党では、オンタリオ新民主党（NDP、党首マリット・スタイルズ氏）が27議席を獲得し、スタイルズ党首が野党第1党を維持するかたちとなった。一方のオンタリオ自由党（党首：ボニー・クロンビー氏）は改選前の9議席から14議席へと議席を増やし、公式政党の要件を満たした。クロンビー氏自身は落選したものの、党首として留任する意向を表明している。緑の党（党首：マイク・シュライナー氏）は2議席を維持した。

与党を維持した進歩保守党は公約として、「オンタリオ州を守るための計画」を発表していた。米国により関税が発動された場合に影響を受ける労働者への即時支援や、労働者のスキル拡大やサプライチェーンの再整備などが含まれるほか、新しい病院の建設、既存施設の拡張や、州民への医療アクセスの改善、10年間で総額2,000億カナダ・ドル（約20兆8,000億円、Cドル、1Cドル＝約104円）以上を投じる公共機関などのインフラ投資を掲げている。

フォード州首相は27日夜の勝利演説で、米国のドナルド・トランプ大統領に立ち向かうためにあらゆる政治家と協力することを誓い、「トランプ大統領は、カナダ国民の回復力、カナダ精神を過小評価している。誤解しないでほしい。カナダは米国と貿易戦争を始めるつもりはないが、勝つ準備はできている」と語った。フォード陣営は、祝賀パーティーで「カナダは売り物ではない（Canada is not for sale）」と書かれた野球帽を参加者に配っていた。

ジャスティン・トルドー首相は声明でフォード氏を祝福し、「カナダの利益を守り、労働者と企業を保護し、経済を成長させる」ために同首相と協力すると述べた。

（井口まゆ子）