トランプ米大統領の行動と国民の期待にズレ、世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年03月04日

米国のドナルド・トランプ大統領は1月20日の就任後、連邦政府の改革などを行っている。国民は経済やインフラ対策を優先すべきと考えている一方で、トランプ氏は移民政策や連邦職員削減などに注力していると認識していることが、最近の世論調査から分かった。

CBSニュースは3月2日、トランプ政権に関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、トランプ氏が取り組むべき優先課題として、経済(82%)、インフレ(80%)が上位に挙げられ、税制(58%)、政府支出(58%)、犯罪(57%)、米・メキシコ国境問題(51%)、連邦政府職員削減(43%)が続いた。一方、トランプ氏が実際に力を入れている優先事項として認識されているのは、米・メキシコ国境問題(73%)、連邦職員削減(69%)、関税(68%)、政府支出(63%)は上位であるが、税制(40%)、経済(36%)、インフレ(29%)への取り組みは下位という結果で、国民の期待どおりではない。

また、トランプ氏が取り組む連邦政府機関の職員削減については、「支持する」が51%、「不支持」が49%と意見が分かれる。連邦政府機関の職員削減がもたらすものとしては、「不必要な職務の排除」(65%)、「トランプ氏に反対する職員の排除」(65%)、「地域への影響」(64%)、「トランプ氏へのさらなる権力集中」(62%)が上位に挙がった。

CNNが2月末に実施した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)によれば、トランプ氏が米国の重要課題に注意を払っていると思うかという問いに対しては、「十分に注意を払わなかった」が52%と過半で、「適切に注意を払った」(40%)を上回った。支持政党別では、共和党支持者の81%が「適切に注意を払った」と回答した。民主党支持者の89%、無党派層の55%は「十分に注意を払わなかった」としている。

トランプ氏の支持率は48%、不支持率が52%で、2月初旬(支持率47%、不支持率52%)からほとんど変化がなかった。

(注1)実施時期は2025年2月26~28日。対象者は全米の成人2,311人。

(注2)実施時期は2025年2月24~28日。対象者は全米の成人2,212人。

(松岡智恵子)

(米国)

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