ガザ停戦発効後6回目の身柄交換を実施、ルビオ米国務長官がネタニヤフ首相と会談

(イスラエル、パレスチナ、米国、イラン)

テルアビブ発

2025年02月17日

イスラエルとハマスの停戦合意(2025年1月20日記事参照)に基づき、215日に6回目の身柄交換が行われ、ハマスはイスラエル人の男性3人を解放した。ハマスが210日に人質の解放延期を発表したことに対し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は15日の正午までに人質が解放されなければ停戦終了と警告していたが(2025年2月12日記事参照)、最終的には予定どおり身柄交換が行われた。イスラエル国防軍(IDF)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、解放された男性3人は15日午前1045分(日本時間午後545分)ごろにイスラエル領内に入り、家族との再会を果たしたという。

写真 テルアビブの「人質広場」で人質の解放を見守る市民(ジェトロ撮影)

テルアビブの「人質広場」で人質の解放を見守る市民(ジェトロ撮影)

米国のドナルド・トランプ大統領は2月15日、SNSのトゥルース・ソーシャルで、「ハマスが米国市民を含む3人の人質を解放したが、いかなる人質も解放しないという先週の声明とは異なる。イスラエルはこれから、本日12時(正午)という全ての人質の解放期限についてどうするか決めなければならない。米国は彼らの決定を支持するだろう」と投稿した。

イスラエル首相府は15日に声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「今週もまた、ハマスが合意に違反したが、ガザ地区とその周辺にわが軍が集中していることと、トランプ大統領の明確かつ明白な声明により、ハマスが引き下がり、人質の解放が進んだ」とトランプ大統領に感謝の意を表した。さらに、「われわれは、生存者も死亡者も含めた全ての人質を一刻も早く解放するため、米国と全面的に連携し、あらゆる意味で次の事態に備えている」と述べた。停戦合意からこれまでに、イスラエル人の人質19人とタイ人の人質5人が解放されている。

「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(2月15日)によると、イスラエルはパレスチナ人369人を釈放した。そのうち36人は終身刑での服役だったが、333人は2023年10月7日以降にガザ地区で拘束されたという。

2月16日には、米国のマルコ・ルビオ国務長官がイスラエルのエルサレムでネタニヤフ首相と会談を行った。両者は会談後に声明(米国務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますイスラエル首相府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表し、ネタニヤフ首相は、「ルビオ長官とさまざまな課題について有意義な話し合いを行ったが、そのどれもがイランより重要ではない」とし、「われわれはイランが核兵器を保有してはならないことに同意し、イランの(中東)地域への侵略を後退させなければならないことにも同意した」と述べた。ルビオ国務長官は、トランプ大統領の「米国がガザを所有」(2025年2月5日記事参照)という見解について、「多くの人に衝撃と驚きを与えたかもしれないが、このまま同じサイクルを繰り返してはならない」と主張した。

イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。

(中溝丘)

(イスラエル、パレスチナ、米国、イラン)

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