10月の消費者物価上昇率は前年同月比0.83%、7カ月連続のプラスも依然ターゲットレンジを下回る
(タイ)
バンコク発
2024年11月14日
タイ商務省が11月6日に発表した10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比0.83%となり、前月(0.61%)から伸びが加速し、7カ月連続のプラスだった(添付資料表参照)。他方、前月比はマイナス0.06%で、前月(マイナス0.10%)から引き続きマイナスになった。
同省によると、10月は引き続き同国北部での洪水被害の影響により、生鮮野菜や生鮮果物の価格が上昇(前月比では下落)した一方で、燃料価格などが値下がりした。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数の上昇率は、前月と変わらず0.77%となった。
また、1~10月のCPI上昇率は前年同期比0.26%だった。通年予測は0.2%~0.8%としており、タイ中央銀行(BOT)が設定するターゲットレンジ(1.0~3.0%)を引き続き下回る見込みとなっている。
なお、BOTは10月16日、政策金利を2.5%から2.25%に引き下げた。ロイターの調査によれば、エコノミスト28人中4人だけが利下げを予想していたことから、予想外の引き下げとなった(2024年10月18日記事参照)。
現地報道によれば、家計債務や中国からの安価な輸入品による製造業への打撃などにより、業績が低迷していることから、ペートンタン・チナワット首相は経済、投資を復活させるため、予算の拡大や金利の引き下げを推進している(11月6日付「バンコク・ポスト」紙)。
(藤田豊)
(タイ)
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