SusHi Tech Tokyo機にスマートシティやディープテックでベルリンとのオープンイノベーション本格化
(ドイツ、日本)
ベルリン発
2024年06月11日
ベルリン州政府は5月、東京都との都市交流30周年を記念し、カイ・ベーグナー・ベルリン州首相を中心とした経済ミッションを日本に派遣(2024年4月24日記事参照)。東京都主催の「SusHi Tech Tokyo 2024」の一環で5月15~16日に開催された「Global Startup Program
」への参加を中心に、ベルリン商工会議所や在日ドイツ商工会議所などと実施した。
小池百合子東京都知事は5月14日、都庁舎でベーグナー州首相と会談を行い、気候変動対策によって脱炭素化を戦略的に推進し、気候危機に立ち向かうゼロエミッション都市のモデルを東京が示し、持続可能性を追求すると強調した。
同州首相やジェトロの片岡進・副理事長は翌15日、丸の内のNEXs Tokyoで開催された、アジアベルリンサミット(ABS)の日本アンバサダーでアクセラレーターのクロスビー(CROSSBIE)最高経営責任者(CEO)の山本知佳氏が司会を務める「AsiaBerlin Summit in Tokyo」(竹中工務店などとの共催)や、ベルリン商工会議所と在日ドイツ商工会議所主催の交流会で、上記の実現のためにスタートアップやオープンイノベーション交流の重要性を強調した。
ベーグナー・ベルリン州首相のあいさつ(ベルリン商工会議所提供)
また20日には、三菱電機が州立企業のテーゲルプロジェクト(Tegel Projekt)とスマートシティー「ベルリンTXL」開発に関するパートナーシップ契約の締結を発表した。
ジェトロはベルリン州経済振興公社ベルリンパートナーとともに、州政府がディープテックハブとして指定するモーションラボ・ベルリン(MotionLab.Berlin、注1)などを都内の大田区
が運営する
羽田イノベーションシティ
に案内し、今後のスタートアップ交流に向けた視察を実施した。
また、「SusHi Tech Tokyo 2024」の州政府ブースや外部会場でJ-Bridge(注2)やJapan Street(注3)を活用し、ベルリン発のAIスタートアップDeep Skin AIやAiloys
、先端素材分野のクラスターのINAM
(2024年2月9日記事参照)などと日本企業の商談会を実施した。ミッション終了後もベルリンで支援を継続中だ。
ベルリンの経済界に日本との連携を呼びかけるジェトロの片岡副理事長(前列中央、ジェトロ撮影)
(注1)ドイツ経済・気候保護省(BMWK)とドイツ貿易・投資振興機関(GTAI)のデジタルハブ(2022年5月11日記事参照、2022年9月12日記事参照)にも認定されていた。
(注2)日本企業とスタートアップなどの海外企業の国際的なオープンイノベーション創出を目的とした会員制(無料)のビジネスプラットフォーム。
(注3)ジェトロが招待した海外バイヤー(海外に販路を持つ国内のバイヤーを含む)専用のBtoBのオンラインカタログサイト。
(小菅宏幸)
(ドイツ、日本)
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